ことば4年B(1005)

福西です。この日(10/5)は、前回に続き、金子みすずの詩を朗読しました。

 

今回は、全集をぱらぱらとめくってもらって、その中から「これがよさそう」と思える詩を一人一つずつ選んでもらいました。私も含め、以下の4つの作品になります。一つの作品をまず一人ずつ回して読んでもらい、最後にそれを選んだ人にもう一度しめくくって読んでもらいます。そして、それを4作品について繰り返してもらいました。

 

『夜ふけの空』 金子みすず

人と、草木のねむるとき、

空はほんとにいそがしい。

 

星のひかりはひとつずつ、

きれいな夢を背(せな)に負い、

みんなのお床へとどけよと、

ちらちらお空をとび交うし、

露姫さまは明けぬまに、

町の露台のお花にも、

お山のおくの下葉にも、

残らず露をくばろうと、

銀のお馬車をいそがせる。

 

花と、子供のねむるとき、

空はほんとにいそがしい。

(『空のかあさま』所収)

 

『空の色』 金子みすず

海は、海は、なぜ青い。

それはお空が映るから。

 

空のくもっているときは、

海もくもってみえるもの。

 

夕焼、夕焼、なぜあかい。

それは夕日があかいから。

 

だけどお昼のお日さまは、

青かないのに、なぜ青い。

 

空は、空は、なぜ青い。

(『おとむらいの日』所収)

 

『雲の色』 金子みすず

夕やけ

きえた

雲のいろ、

 

けんか

してきて

ひとりいて、

 

みていりゃ、

つッと

泣けてくる。

(『大人のおもちゃ』所収)

 

『風』 金子みすず

空の山羊追い

眼にみえぬ。

 

山羊は追われて

ゆうぐれの、

廣野のはてを

群れてゆく。

 

空の山羊追い

眼にみえぬ。

 

山羊が夕日に

染まるころ、

とおくで笛を

ならしてる。

(『空のかあさま』所収)

 

『夜ふけの空』はIちゃんが、『空の色』はMちゃんが、『雲の色』はHちゃんが、そして『風』は私がそれぞれ選びました。

 

偶然ながら、空や雲のことが書かれている詩が集まって、ちょっと驚きました。金子みすずは、落ち着いた時に読むと、本当にいいと思います。(走り読みしても、全然伝わってきません)。それは雲と同じで、こちらがじっとしていると、ゆっくりした雲の流れに気付くことができますが、こちらがせかせかしていると、止まって見えるようなものだと思います。

 

ちなみに私は「山羊が夕日に染まる」というフレーズが気に入ったので、それを選んだのですが、生徒たちにも、どんな気持ちでそれぞれ選んだのか聞いてみれば、もっとよかったかなと後で思いました。(野暮と言われるかもしれませんが^^;)

 

後半は、いつものようにお話作りをしました。いよいよ佳境で、この日、Mちゃんが書き上げてくれました。しばらく興奮冷めやらぬ様子で、嬉しそうに「やった」「はあ疲れた」と言っていました。また記事が前後しますが、Hちゃん、Iちゃんも、次の週には、それぞれ完成してくれましたので、お伝えします。おめでとう!

 

MちゃんとHちゃんの作品については、こちらにすでにアップしています。

 

『りりまじょのビー玉うらない』(Mちゃん)

『世界いちの友』(Hちゃん)

 

Iちゃんは一度完成したのですが、まだ点睛の余地が残っているということで、家に持ち帰りました。題名は、『チョコブラウニーですなおにえがお』。次週、完璧になったそれを披露してくれるのを楽しみにしています。

 

[追記]

Iちゃんが作品を書き上げてくれましたので、アップいたします。

『チョコブラウニーですなおにえがお』(Iちゃん)