「日本文化論」を読もう!(未来のために。)

6月7日(月)18:40〜20:00に無料ガイダンスを行う「日本文化論を読む」クラスで、担当の中島啓勝(なかじまよしかつ)先生が候補にあげているテキストはこちらです。

・オイゲン・ヘリゲル『弓と禅』

・山本七平『空気の研究』

前者では、著者であるヘリゲルが、弓道を通して日本文化に迫っていきます。
「いかに的に命中させるか」に囚われ、弓道の中にある精神性について、なかなか理解ができず、焦燥感に駆られるヘリゲル。見かねた師匠がある晩、薄暗い道場に彼を呼び出します・・・。テキスト序盤で描かれているシーンです。
これ以上お話するのはやめておきますが、「マンガかよっ!」と私は思わず心の中で突っ込んでしまいました(笑)
本書は異文化の視点から日本文化を新鮮に捉えられるというのみならず、著者が悪戦苦闘しながら体得し、考察を深めていく様子が、ちょっと青春ルポタージュっぽかったりもして、そんな風にも楽しめるテキストです。

後者は、「空気を読める」とか「読めない」といった言い回しをするときの「空気」という言葉の使い方を世に広めたきっかけとも言える本だそうです。
強烈な「権力者」であるかのように、人々を支配する見えない「空気」。そうした現象をたどっていくと、江戸時代から始まっているようなのですが、一体そんなものを研究したり、実証したりすること自体、可能なのでしょうか?
また、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、山本七平自体、その経歴が「ブッ飛んで」いて、それだけでもかなり面白くて、読んでみたくなる本です。

「日本文化論」を読むときの落とし穴として、例えばステレオタイプな「日本ってやっぱりすごいよね論」に辿り着いたり、逆に「間違っていたよね」といったことで終わってしまったりすることを、中島先生が指摘されていました。
そうではなくて、テキストが書かれた時代についてもよく理解をしながら、当事者性を持ってそれらの「価値」を検討し、「これから日本はどうなっていけばいいのだろう」というような、生産的な議論に向かえることが大切なのではないかと、前回ガイダンスでお話されていました。
(「クラスで本を読み、議論する価値は、そこにあるなぁ!」と、先生のお話を伺い、改めて強く実感致しました)

私の拙い言葉ではうまく説明がしきれませんが、是非6月7日のガイダンスに参加され、先生と直接お話されることをオススメいたします!

(事務担当 梁川)