ことば1~2年(2020/2/18)

福西です。

『黒ねこサンゴロウ5 霧の灯台』(竹下文子、偕成社)の3「白い霧」と4「灯台」を読みました。

鳥類学者のイソキチを南海島に送った帰路、マリン号は白い霧に包まれます。

その霧には磁気が含まれていて、太陽電池を使ったコンパスが狂ってしまいます。サンゴロウは霧がおさまるまで沖に停泊することを選びますが、錨が効かず、潮に流されてしまいます。

位置情報が分からなくなったサンゴロウを助けてくれたのは、灯台の光と、灯台守のカイでした。

カイの誘導で、サンゴロウは灯台のある島に上陸します。簡素ながらも心のこもるもてなしを受ける間、灯台に飾ってあるボトルシップが、マリン号そっくりだということに気付きます。カイが何者なのかはこの後のお楽しみです。

各巻の裏表紙にある絵が、そのボトルシップであることを受講生のK君が気付いて教えてくれました。

 

紙芝居『茂吉のねこ』(松谷みよ子/原作、諸橋精光/脚本・画、童心社)を読みました。

猟師の茂吉は酒飲みで、一匹の猫を飼っています。ある日、覚えのない酒代を請求されます。茂吉の名をかたって酒を買う子供がいるせいでした。怒った茂吉は子供を追いかけます。すると、見知らぬ野原にたどり着き、うっかり付喪神たちのたまり場に足を踏み入れてしまうのでした。茂吉は怖くなって草むらに身を隠します。

野原にさっきの子供が現れます。その正体は茂吉の猫でした。付喪神たちは猫が酒を持ってこなかったことに怒り、茂吉を呪い殺すように猫に命じます。しかし、猫は茂吉に恩を感じているので、それを断ります。付喪神たちが猫に襲いかかり、茂吉が鉄砲を撃ちます。すると……。

茂吉が猫を連れて家に帰るころには、もう空が白んでいました。気持ちのよい余韻のお話でした。