0506 高校数学

浅野です。

Kさんは微分の世界にも深く入り込み、いろいろな関数を微分しているところです。

積の導関数と商の導関数、合成関数までは理解できたが、逆関数やルートの微分がわからないと現状をはっきりさせて質問をしてくれました。確かに教科書や参考書では公式だけが大きく書いてあり、その証明は小さく、そしてわかりづらく書かれているのが通例です。ということで実感を重視して導関数を求めてみましょう。

f(x)=√xを微分せよ。

ルートの微分はこれまでに習っていません。しかし、逆関数の考え方と、合成関数の微分を用いるとそれを求めることができるのです。

まず、y=√xと置いて、この関数の逆関数を求めてます。

 y=√x
 y^2=x
 x=y^2

次にこの両辺をxで微分します。

 1=2y・dy/dx

y^2をyで微分するなら2yですが、xで微分すると2yにdy/dx(yをxで微分したもの)をかけなければなりません。合成関数の微分を思い出してください。

この問題でそもそも欲しかったのはyをxで微分したもの、つまりdy/dxなので、先ほどの最後の式の両辺を2yで割って左辺と右辺を入れ替えると

dy/dx=1/2y

となります。yはこちらで勝手に置いた文字なので元に戻してやると

dy/dx=1/2√x

です。これでルートの微分が出来上がりました。

この後、x^p(pは有理数)の微分や、三角関数、対数関数の微分に進みました。そこでも合成関数の微分はしょっちゅう使うので、これに慣れられるかどうかが一つのポイントになると思います。

Cさんはこの二週間の間に自分で解いた問題についての質問を用意してくれていました。

0506a

この問題は解答を読んでもわかるときはぱっとわかり、わからないときは一向にわからないでしょう。おそらく解答の第一行目にはこう書いてあるはずです。

0506b

それだけ言われても何のことかわかりません。補足しますと、f(x)がxの関数ならf(t)はtの関数であり、それを積分した関数F(t)もtの関数であって、0から3までの定積分はF(3)-F(0)なので定数になるということです。

解答の次の行にはこう書いてあるでしょう。

0506c

これはどういうことでしょうか。先ほどの手順でf(x)が見やすい形になりました。なのでk、つまり0から3までのf(t)の定積分を求めてみましょう。kとその計算結果をイコールで結んでkについて解くと、kの値が定まります。

ということで答えはf(x)=x-9/4です。

この問題は、f(x)を定義するのにその関数自身の定積分を用いている点がポイントです。私は勝手に自己言及型と名づけました。この命名の当否はともかく、分類して位置づけるということは学問の基本です。