0428 中学数学

浅野です。

中1のTさんとNさんは次の問題で盛り上がりました。

2×2×2×…×2のように2を100個かけたとき、一の位の数字はいくらになるか。

Nさんは最初「こんな問題わかるはずがない」とあきらめムードでした。他方Tさんは「実際に100回かけてみればよい」と強気でした。ほんとこの二人はいいコンビです。NさんはTさんに促されて実際に計算をし始めました。するとすぐに法則を見出して「6」という答えを導き出しました。

しかしTさんは納得しません。法則らしきものが見えても本当にその法則がずっと続くのかという疑問です。確認のためにTさんは関数電卓を取り出してこの計算を実際にしてみました。そうするとそこには「1.2676506×10^30」と表示されました。

これを見てTさんは「6」で合っていると判断しましたが、今度はNさんが納得しません。そんなに少ない数字ではないだろうとの疑問です。2を100回かけると何桁くらいになるかと質問されたので、私は高校数学のlogを用いて計算して31桁だと答えました。

それからも二人は議論を続けたのですが、ここでは結論だけを述べましょう。関数電卓の答えを普通の数字の書き方で表現すると「1267650600000000000000000000000」です。ということは先ほどの問題の答えは「0」なのでしょうか。しかしこんなに0が続くのはおかしいですね。それはこの関数電卓が8桁くらいしか表示できないために概数計算をしているからです。

この問題では一の位の数字が知りたいので、一の位にだけ着目します。このように2をかけていく計算では、十の位より上の位は一の位に全く影響を及ぼしませんので。しばらく計算を続けると一の位は「2, 4, 8, 6, 2, 4, 8, 6, …」の繰り返しになることがわかります。ということで100回かけたときの一の位は「6」です。

中2のOさんは学校でも「奇数と奇数の和は偶数になることを証明せよ」といった問題を習ったようで、わかりやすく説明をする答案を書くという、前回の注目点をずっと意識してくれていたようです。式変形だけを書くならこのような感じです。

 2m+1+2n+1
=2m+2n+2
=2(m+n+1)

やはりこれだけではあまりに不親切です。式変形に入る前にmやnが何かを説明する必要があります。このような文言を入れるとよいです。

二つの奇数をそれぞれ2m+1、2n+1と表す(m, nは整数)。すると奇数と奇数の和は(2m+1)+(2n+1)と表すことができる。

式変形の後にも一言欲しいですね。このように書けばわかりやすいでしょう。

( )内のm+n+1は整数なので、2(m+n+1)は偶数になる。以上より奇数と奇数の和は偶数になる。

m+n+1が例えば1.5だとすると2(m+n+1)は3になり奇数となってしまうので、この式変形後の断り書きは重要です。

最初は難しく感じるでしょうが、慣れるとテンプレートに当てはめる(形式の決まった文章をその時々の問題に合わせて少しだけ修正する)だけですぐにできるようになります。

話は変わっておうぎ形のテストですが、やり方は全部合っているのに計算ができていなかったせいで間違いが目立ちました。これからしばらく計算練習を毎回取り入れます。