「西遊記」を読む(ことば5~6年2019/10/17)

福西です。

『西遊記(下)』(渡辺仙州翻案、偕成社)の「二十一 地湧夫人」の前半(p141~p172)を読みました。

地湧夫人の正体はネズミ。天界の托塔李天王に恩のある(でも地上では悪さをしている)妖魔でした。その関係図が今回のスパイスでした。

地湧夫人は、いつものパターンで「襲われた村人」を装って、三蔵一行に近づきます。三蔵は毎度のことですが、「助けておあげなさい」と悟空に命じます。悟空も慣れたもので、一応正論を述べてから言う通りにします。なんとなれば、別に妖魔に襲われたところで、ねじ伏せればいいだけのことだからです。このあたりの悟空には、過信ではなくて達観した余裕がうかがえます。

可哀そうなのは、騒動に巻き込まれる一般人です。三蔵の泊まった寺で、僧侶が干からびた死体で発見されます。もちろん、助けた村人(地湧夫人)の仕業です。悟空は出番とばかりに地湧夫人と戦います。

しかし敵もさるもの、分身の術で悟空を誘導します。偽物だと気が付いたときにはすでに遅し、三蔵はさらわれていました。

悟空たちは、地湧夫人が井戸の底の世界で三蔵と祝言をあげようとするところへ、急いで飛び込んで行きます。一度目は地湧夫人を取り逃がします。ただ、托塔李天王との関係を知り、文句を言いに天界に上がります。それで、二度目の討伐で、天界の援助を得ることができました。

次回は、この続きから読みます。

読了が見えてきました。残す本文は40ページです。三巻本の旅路も、振り返ると、あっという間だったと感じます。