キケローを読む

山下です。

今日は、7節の途中から9節の終わりまで読みました。

「カトーはいかに立派に息子の死にたえたか!」というフレーズ。

練習問題でもお目にかかる有名な言葉ですね。カトーはソクラテスより賢者である。カトーは行為(facta)によって、ソクラテスは言論(dicta)によって、賢者と称賛されるからだ、と。facta を dicta より評価する、いわゆるローマ的価値観ですね。

なお、キケローの表現を借りると、賢者は誰もいないのだ、ということになりますが、強いて賢者がいると仮定すれば、それはカトーだと言っています(つまり、カトーが一番)。

賢者は一人もいない。このフレーズこそ、ソクラテス的考えではあり、キケローの親しんだアカデメイア派の考えを端的に表すものです。