「山びこ通信より」(小学1~2年生・かず)

小学1~2年生・かず

1年生の頃に、問題の文を1文字ずつ読んでいたのが、いつの間にか段落で読めるようになっていたり、筆算で正確に早く計算できるようになっていたり…と日々いつの間にかしている成長に驚かされています。

しかしこの「いつの間にか」というのは「何もせずとも」というわけではなく、やはりこれまでドリルを何冊も重ねてきた結果だと思います。また大事なことは、間の一週間の学校においても、きっと先生の方を向いてしっかりと聞いていることだろうと思い、それも大きな栄養源になっているのだと感じます。

2年生は2~3けたの筆算や、5cm2mm-2cm3mmのような単位の計算、5の段までの九九の暗唱、文章題をしています。あるいはそれまでの積み重ねに応じて、2年生でも1年生の計算や文章題をしています。

1年生は8+5、12-7といった繰り上がり、繰り下がりのイメージが頭の中にしっかりと焼きつくように手ほどきすることを大切に考えています。

ある2年生が、ホワイトボードに5×1から5×30ぐらいまで延々とかいて、それを次の週も、そのまた次の週もかいていることがありました。「家で30までかけた」と言って、今度は教室で5×40ぐらいまで書く。そのつど5×1、5×2…と前のことを繰り返すわけですが、そこには中学生になっても役立つ勉強のスタイルがあるように思います。人に何と思われようと、自分から何回でも繰り返しやろうとする、それは、幼稚園で鉄棒や竹馬を「すごいねえ」と言っている時と一緒だと思いました。また別の2年生の場合は、6の段も7の段も8の段も9の段も、九九のカードを持って帰りたくて、他の友達が1つしかない8の段を持って帰ってしまったのを「悔しい悔しい」と言っている日もありました。

そうした彼らの新鮮な好奇心を「いつの間にか」の油断で枯らしてしまうことがないように、花に水をやるような気持ちで1回1回の授業に取り組もうと思っています。そうして「次にこれをしたらいいかな?」「これをしたら役に立つかな」と思ってしたことがいつか、彼らの思い出の一部として実を結んでいてくれればいいと思います。

(文責・福西亮馬)