「山びこ通信より」(小学5~6年生・かず)

小学5~6年生・かず

6年生と言えばいよいよ中学生ですが、それまでにしておくことは、中学校の内容ではなくて中学校に上っても自分で勉強ができる基礎力を身につけることです。従って6年間の内容を文章題のドリルを使って、愚直に1年から通し、どこで自信がぐらつきかけるかを確認することには意味があります。(もし1年のドリルなんて…と思う人はなおさら、あっという間にできるわけですから、ぜひやってみて下さい)。履歴をたどって最初から全部を自分のものとすることは、自分でコツコツとできる、大きい仕事だと思います。

これがもし算数ではなく引越し屋さんだったら、トラックに積み残した荷物が一つでもあるなりすぐにお客さんからクレームが来てしまうように、中学校に自分を引っ越しする時にも、積み残しがない状態で中学を迎えることには注意と心がけが必要だと思います。そこに置き忘れた荷物はたいていの場合取りにいけず、またなくなってしまっているというのが現実です(浦島太郎に若返れと言うようなもので、一度失った時間は元に戻りません)。

ドリルというと、計算ドリルからまずはじめるので、よくやっている人でも意外と文章題のドリルに積み残しがあります。一方、この文章題をやりこなしたところから急に算数の自信が芽生えるので、逆に今自信がない人は、そこまでやってから、まだ自分に自信がないかどうかをチェックしてほしいと思います。

またドリルには1回目よりも2回目の方が楽になるという性質があります。それを1回で終わらしてしまうのはもったいないことです。みんななかなかしないことですが、2回目が大事です。同じ計算や自分なりの発見をもう一度確認できる問題に出会った時、勝てる気持ちが生まれ、自信につながるのだと思います。

算数は確かにみんながみんな好きになることはできないかもしれません。しかし苦手でもそれを嫌いではないと言える努力はコツコツとだれでもできるはずです。そして苦手と嫌いとは、将来好きになるチャンスを残しているかどうかという点で、大きく分かれ道になっていると思います。ぜひこのクラスでは、「嫌いではない」ということが、何でもないようで実は自分に大きな財産を残しているということに気付いて欲しいと思っています。

(文責 福西亮馬)