かず5・6年

福西です。
今学期は「論理パズル」を2週間に1回に減らして、その合間に「数論」をしています。

先週は数論の方で、「割り算の余り」について考察しました。たとえば、2,4,8,16,32,64…(2のn乗:2^n)をある数で割った余りがどう変化するかです。それについて調べたことをそれぞれ前で発表してもらいました。

U君:5÷4や100÷99について
T君:3^n÷23
N君:2^n÷37

U君は割る数と割られる数の差が「1」の時について、以下のように調べました。

5÷4=1…1
10÷4=2…2
15÷4=3…3
20÷4=5
25÷4=6…1
30÷4=7…2
35÷4=8…3
40÷4=10

U君の発見は、(割る数と割られる数の差が「1」であれば)最初の部分が1…1, 2…2, 3…3 と非常にきれいな並びをしていること、そして余りが(0),1,2,3と巡回していることです。

ここで「20÷4はどうして4…4とならないのか?」と尋ねると全員が口をそろえて「余り4はもう1回4で割れるから!」と答えていました。

さて、100÷99だとさらにきれいな結果が得られました。

100÷99=1…1
200÷99=2…2
300÷99=3…3
400÷99=4…4

9800÷99=98…98

と並び、9900÷99=100ではじめて割り切れることが確かめられます。これも面白い結果です。この「差が1」の計算に対するU君の発見は、このあとも1/2-1/3など、分母の差が1の引き算にも現れてくると思います。

N君とT君の調べたことも、ここで全部書ききれないのが残念ですが、同じ結果に至っていたので、代表でTK君の方を書きます。

T君
「3^n÷23の余りは、3,9,4,12,13,16(n=1から6まで)
となっています」

ぱっとみて分かることは、3から9に、4から12へは3倍ずつになっていることです。そこで私は「16の次に何が来るか?」と質問しました。そこでみんな計算を始めました。3^7=2187を計算してから、それをさらに23で割って、95…2という答を出していました。

しかしもっと簡単に分かる方法は無いでしょうか。たとえば12から13へはどういう規則があるのでしょうか? どうやら3倍と関係がありそうだということが分かっていたので、そのまま12の3倍をしてもらいました。36です。それは13とどういう関係があるでしょうか。すると口々に「36-23!」と答が返ってきました。

ということは、3^7の余りの時も、2187÷23と計算せずとも16×3=48から分からないでしょうか。するとN君が、「48の中には23が1回のみならず2回。だからそれを取り除いてしまったら、あまりが2となる」と答えてくれました。それにT君とU君も納得しました。

最後に私の方で、余りが巡回することを示しました。

たとえば2^n÷13の余りは、2,4,8,3,6,12,11,9,5,10,7,1で、次にまた2,4…と繰り返し(巡回し)ます。つまり12の長さの節を持ちます。一方2^n÷17は、÷13よりも長い節を持つかというと、そうではないところが面白くて、「2,4,8,16,15,13,9,1」と8の長さで一巡してしまいます。(終りが常に1であることを生徒が指摘してくれました)

さてそこで宿題です。なぜこの1巡(節)の中には、同じ数が無いのでしょうか。たとえば、2,2,3,4,2,4,1  2,2,3,4,2,4,1…というように、同じ数を重複しながら巡回することはないのでしょうか? それが問題です(私も実は証明できません)。