かず6年(質問ノート)

福西です。

今学期から6年生以上の学年には「質問ノート」というものが配られています。何でも疑問に思ったことを書き留めてもらい、それを見せてもらった講師が一緒にその疑問に寄り添うというものです。

このクラスでは、さっそく「次元って何ですか?」という質問が飛び出しました。貴重な第一号です。

私も前から、なぜ「次の元」と言うのか、名前の由来からして「なんでだろう?」とずっと思っていました。そして詳しくは分からずじまいでした。もしどなたかご存知でしたら、ご教示をお願いいたします。(英語ではdimensionですが、一体どういうつながりなのでしょうか…?)

それで、自分なりに理解したことで、具体的で一番分かりやすかった、四次元の描き方を説明しました。(以下のページがそのまま私の情報源です)
http://www3.ocn.ne.jp/~fukiyo/math-mok/obenkyou.htm

ただ、これだけだとせっかくの質問が知識の授受に終わってしまうので、現在の科学で分かっていないことも付け足しました。それは、「宇宙はどんな形をしているか?」という謎です。あるいは、「宇宙は何次元なのか?」と。(超ひも理論では10次元で、6次元まだ隠れているそうですが…私もぜんぜん知りません)

願わくば、これからそれを調べる人になってほしいものです(^^)。

ちなみに高校でベクトルを習うころ、単純にベクトル(x,y,z,…)にある要素(xなど)の個数のことも「次元」といい、たとえば自動車の検査工場で、車体について1万箇所をセンサーで計測すれば、それだけで1万次元の情報になります。ただ、K君の質問は、物理宇宙の話に出てくる次元のことだったので、「たて、よこ、高さ、時間」で話しました。

4次元で一番簡単な理解は、「AさんとBさんが駅で待ち合わせをして、同じ場所に立っていたのに、ついに会えませんでした。なぜでしょう?」みたいなことです。

我々はたて、よこ、高さについては、とりあえず移動でき、時間については一方向に(しかも流されるままに)しか移動できません。もし時間を、道のように普通に歩ける人がいれば、すごいことになりますね。

しかしその不思議さは、仮にアリが地面にはりついて生活しているとして、アリを人間がまたいでよけた時、蟻にとって人間がどうやって自分をよけたかを想像できないことと同じです。一つでも次元の高い世界のことは、それより低い次元に生きている者には何ともイメージできないことなのです。

そこでまた、「もし現在の自分が、過去の自分を殺しに行ったらどうなるか?」という質問が出ました。もし過去の自分が殺されれば、現在の自分もいなくなります。そうすると過去の自分を殺そうとする者もいなくなり、結局過去の自分は生きていることになります。そうするとその後の、過去の自分を殺そうとする自分も存在することになり、また過去の自分は殺されることになり…の繰り返しになります。これは実はSFでも有名なパラドクスです。

さて、次元から宇宙の話に及び、今度は「宇宙服をつけずに宇宙に出るとどうなるか」と質問されました。それで、体が破裂するとか、血が沸騰するとかいう話になりました。

そして今度は、血が42度までしか上がらないのはなぜかという話になり、そこから、人体の話に飛び、私自身もどういうつながりか忘れましたが、炭水化物、たんぱく質、脂肪の話になり、とうもろこし(炭水化物)で走るエコカーの話題に及びました。疑問が次々と連鎖して、最後には、大事な情報が次元なら、五次元目は「空気はどうか」「エネルギーはどうか」という話になりました。こういう真面目な議論は面白いですね。

これからも疑問に思う気持ちを一杯蓄えてください。