かず6年

福西です。

3回目は、2段階に分けて問題をしました。

『袋の水晶玉(その1)』
薄暗い部屋を探していると、部屋の隅のぼろきれの中に水晶玉の入った袋がありました。それを僧侶、魔法使い、戦士の三人で分けたところ、二人は2個とり、一人だけ1個とりました。水晶玉を2個取った者は必ずうそをつき、1個取った者はうそも本当も両方言う可能性があります。

僧侶 「魔法使いと戦士の取った水晶玉の数は同じはない」

さて、だれが何個とったのでしょうか。

これは予想通り、あっさり解かれてしまいました。

Ke君は「もし僧侶が1個しか取っていなかったら」「もし魔法使いが1個しかとっていなかったら」「もし戦士が…」という「1個とったのは誰か」で場合分けをしていました。

一方Ku君は、「戦士が1個取った場合」「戦士が2個取った場合」「戦士が3個取った場合」と、戦士を固定して解いていました。戦士が好きみたいですね。

そこで次のバージョンです。1個取った者と2個取った者が何人ずついるかが最初から分からないようにしてみました。

『袋の水晶玉(その2)』
さて、今度は明るい部屋を探していると、戸棚の中にまた水晶玉の入った袋がありました。それを僧侶、魔法使い、戦士の三人で分けたところ、1個とった者は一人以上います。2個とった者も一人以上います。全員、1個か2個とりました。水晶玉を2個取った者は必ずうそをつき、1個取った者はうそも本当も両方言う可能性があります。

僧侶 「魔法使いと戦士の取った水晶玉の数の合計は2個である」
魔法使い 「僧侶と戦士の取った水晶玉の数の合計は2個ではない」

さて、だれが何個とったのでしょうか。

これは答が3つ出てきます。(本当は1つにしたかったのですが、問題を作る時に私が間違えてしまいました)。

しかしながら、Ku君、Ke君ともに答が3つあるという同じ結果にたどり着いていました。そこで、今回の解答は非常に長くなってしまうので、Ke君に代表してもらい、Ku君の解答を割愛させていただくことにします(次回はKu君の方を掲載させていただきます)。

Ke君の答(代表)

T…真実、F…ウソ

Ke君は、水晶を1個取ったのが0人ということはないので、まず1個が1人の場合と、2人の場合に場合分けして考えてくれました(3人ということもありません。なぜなら2個取った者が0人になるので)。そしてその1個が誰かで二段階に場合分けしています。このような望外の進歩に感動しました。

仮定 もし(1個が1人で)僧侶が1個取ったら
結果 僧魔戦
    FFF
    122
矛盾 あり
理由 魔法使いは2個取ったのでウソつきなのに「(僧侶と戦士の合計は)2個ではない」と本当のことを言っているので(矛盾する。すなわち)、僧侶は2個取っている。

*補足:Ke君の「僧侶は2個取っている」は「僧侶は1個ではない」の意味です。ただし、1個が1人の場合は、です。

仮定 もし(1個が1人で)魔法使いが1個取ったら
結果 僧魔戦
    FTF
    212
矛盾 なし(1つ目の答)

仮定 もし(1個が1人で)戦士が1個取っていたら
結果 僧魔戦
    FF*
    221
矛盾 あり
理由 僧侶はウソのことを言っているが、魔法使いは本当のことを言っているので、戦士は2個取っている。

*補足:Ke君の「戦士は2個取っている」は「戦士は1個ではない」の意味です。ただしこれも1個が1人の場合は、です。

仮定 もし(1個が2人で)僧侶と魔法使いが1個取っていたら
結果 僧魔戦
    FTF
    112
矛盾 なし(2つ目の答)

仮定 もし(1個が2人で)もし僧侶と戦士が1個しか取っていなかったら
結果 僧魔戦
    FF*
    121
矛盾 なし(3つ目の答)

コメント
実はあともう1パターンだけ、「僧2魔1戦1」が考えられます(この場合は矛盾があります)。それが加わると、Ke君の場合はすべて考えつくしたことになります。と思っていたら、実はKe君はすでに口頭で、「僧2魔1戦1」の場合はありえないことを突き止めていました。というのは、僧侶は2個取ると必ずうそをつかねばならず、それにもかかわらず、僧侶の発言「魔法使いと戦士の合計は2個(すなわち1個ずつ)」が正しいことになります。すなわちありえないと。

つまりこの問題は、計6パターンの場合分けが必要になるわけですが、Ke君はすべて考えつくしていたことになります。よくここまでたどり着きました。
Ku君も同じです。本当によくがんばりました。

*ちなみにこれは、去年した内容と関係しています。思い出してもらえると嬉しいです。

1≦X≦2(X=A,B,C)のとき、

(A,B,C)
=(1,2,2)(2,1,2)(2,2,1) …1が1個の並び替えが3通り
 (2,1,1)(1,2,1)(1,1,2) …1が2個(あるいは2が1個)の並び替えが3通り

すなわち6通り