ことば1~2年A(11/25)(その1)

福西です。この日、長らくお休みだったRちゃんが復帰されました。

これまでに暗唱した百人一首のおさらいから始めました。「ひさかたの」と「あまのはら」が一番記憶に残っているようでした。「『おくやまに』もあるよ!」と、最前暗唱した歌もフォローしてくれていました。歌は友達のように、次第になじみができていくものですが、それをこの日はよく感じました。

今度かるた大会がありますが、今覚えている歌が(とりわけ自分の好きな一首が)取れたら、それは「いいこと」になるだろうなと思います(^^)。

おさらいをしたあとで、今日も新しい和歌を紹介しました。

このたびは ぬさも とりあえず たむけ山

もみぢの にしき かみの まにまに

菅原道真

「昨日、この歌をお母さんに教えてもらった!」とRちゃんが開口一番に言っていました。Rちゃんは最近、お家で百人一首をしたそうです。また、「お母さんが『この歌は覚えやすいよ』って言ってたよ」とも教えてくれました。それを受けて、M君が、「ほんとや、『まにまに』がなんか覚えやすい」と言っていました。

また、俳句を書く紙を、Rちゃんのお母さんがRちゃんのために、いろいろな形に切ってくれているものを拝見しました。なんとも言えない風情があり、そういう工夫もあるのだと教えていただいた気持ちがいたしました。(取り組みを応援してくださって、ありがとうございます)。

Rちゃんはこの日、「電車にはどうして信号がないのかな」という主旨の俳句を作っていました。電車とは地下鉄のことだそうです。なるほどなと思いました。

E君の俳句入れがこの日、2冊目になりました。「俳句を書く紙、家に持って帰ってもいい?」とたずねてきて、「いいよ」と言うと、「やったあ」喜んでくれるところに、なんとも言えない初々しさを感じました。その内なる火をぜひ大事にしてください。E君の作品を楽しみにしています。

A君曰く、学校からの帰り道に、紅葉の木を見て、そこで、大人の人たちが紅葉を拾っている光景に出くわしたとのことでした。A君はさっそくそれを俳句にしたためていました。そして、下の句で「みんなを集める」と表現していました。

「みんなが紅葉を集める」から、「紅葉がみんなを集める」への立場を入れ替えたところに、A君の「物を見る」まなざしを感じました。その俳句の挿絵がまた、(それ以外の俳句もそうなのですが)、即興でありながら味があり、ぜひみなさんにお見せしたいところです。

M君曰く、御所の紅葉は、見頃を過ぎたようですが、M君が見たときは、イチョウが綺麗だったそうです。

M君は、この日は、それまでに作った俳句を周囲に見せながら、思い出に浸っている様子でした。私がまだ直接は見せてもらっていなかった「庫出し」の俳句もありました。

昔の俳句と、今作っている俳句には、短い間でも表現に変化が見られます。だからこそ(変化の主体としての)作者の一貫性がうかがえます。M君自慢の俳句帳。言葉によって綴っている、一つの歴史だなと思いました。

また将棋のことが、M君の俳句にはよく出てきます。それがM君らしいなと思います。M君は、最近めっぽう将棋が強くなり、このあいだ3手詰を見たところ、ほぼ紛れなく正答していました。この調子だと、あっという間に私を追い越していくだろうなと感じました。

過ぎる一週間を早く感じるとともに、何事につけ、馬跳びであることを楽しいと感じています。