0927 英語講読カズオ・イシグロ『日の名残り』

いよいよ会議の鍵を握るデュポン氏が到着します。

 

会議は非公式だという体で行われます。

 

such was the determination on the part of some persons to maintain the appearance that this was nothing more than a social event that they had actually gone to the lengths of having journals and newspapers open on their knees.

 

これは社交上の行事に過ぎないといううわべを保とうとする何人かの人の決意は非常に固かったので、膝の上に雑誌や新聞を広げるにまで実際至っていた。

 

大きくはsuch ~ that…構文で「とても〜なので…だ」となります。決意なので「固い」を補いました。2つ目のthatがそのthatです。1つ目のthatはappearanceを修飾する同格のthatです。

 

しばらくは大きな出来事もなく進みますが、突然主人公の父親が倒れたという知らせが届きます。

 

その夜にはデュポン氏とアメリカ代表として来ているルイズ氏との会話を立ち聞きしてしまいます。どうやらルイズ氏がデュポン氏に、他の人たちの悪口を吹き込んでいるようです。

 

一連の会議の最後となる夕食時には雰囲気もだいぶ打ち解けてきました。結論から言うと、ダーリントン卿が目指していたように、デュポン氏がヴェルサイユ条約を改訂するように自国で取り計らうと言ってくれました。

 

そのついでにデュポン氏はルイズ氏を公然と批判します。紳士ではないという批判です。それに対してルイズ氏は、むしろヨーロッパの他の人たちこそプロではないと反論します。このあたりの場面には考えさせられます。現代ではルイズ氏のような考え方のほうが主流になっているのではないかと私は思いました。

 

このあたりで今回はおしまいです。