しぜんB  2014.1.9

B(木曜)クラスでは秋学期、「ひみつの庭」(新園庭)を中心とした、いきもの探しの活動が軸となり、色々な種類のいきものたちとの出会いがありました。

冬学期はそれと並行して進めてきた「しぜんの材料をつかった工作」が、活動の中心となりつつあります。

Mちゃん、Rちゃんの女の子二人は、男の子たちがいきもの探しに夢中になる傍ら、一足先に、こつこつと工作を続けて来ました。二人はすっかりと意気投合し、一緒にひとつの「マスコット」を完成させたこともありましたし、現在は、輪切りにした木の枝を材料に「カスタネット」を作ろうと思い立ち、これをひたすら続けています。

カスタネットの材料は、手の平にすっぽり収まるほど小さい木の円盤なのですが、この中心を、何時間もかけて一心に、彫刻刀の丸刀で削って凹ませてきました。彫ってみると分かるのですが、輪切りにした木の中央は非常に堅く、とても根気の要る作業です。
丹念に取り組む二人の姿を、クラスではそっと見守っています。

一方の男の子チーム3人。
低学年のHa君(1年)、T君(2年)、Y君(4年)の間にも、回を重ねる毎に、仲間意識が芽生え、絆が深まっていくのが感じられます。クラスでのディスカッションの最中や、外での活動のとき、
「今は関係ない話しちゃだめだよ」
「そっちへ行っちゃだめだよ」
と低学年をたしなめてくれるのは、頼れるクラスの先輩Y君。例えば、網で池のメダカをすくっていた時も
「小さいメダカが網にひっついたままかもしれないから、よく確かめてね。」
と二人に声をかけ、大切なことを伝えてくれる存在です。

また、低学年の二人も競い合うように「かっこいい木の枝」をお互い披露したり、工作のとり組みでは、
「そうだ!お店をつくろうよ!」
と意気投合し、手を取り合って喜ぶ姿がありました。
「Y君は何て言うかな〜、次回伝えてみよう!」(この日、12/5は、Y君お休みでした)。
「お店」というのは、拾ってきたドングリを割って中身を調べていたとき、料理をしている気持ちになったのでしょう、T君が「ドングリジュース」を作り始めたのがきっかけです。
「お店はこういう形で、座席がこうあって、お客さんはこっちからきて、品物はあれがあって、これがあって・・・」と、ホワイトボードに書き出してくれたHa君の積極的な姿も大変頼もしく、ぐんと成長を感じる瞬間でした。

 

さて、そうした流れの中で迎えた年明けのこの日も、5人の仲間たちは、一生懸命にそれぞれの課題に取り組んでくれました。
「カスタネット」も完成に近づき、「料理」のメニューも増えていきます。
残念ながら、ご事情でこの日最後のクラスとなったY君も、さすがは先輩、慣れた手つきで次々と、拾ってきた木の枝をのこぎりでさばいて、頭部・胸部・腹部などの「クワガタ虫」のパーツをこしらえ、クラスが終わる頃には、完成あと一歩まで辿り着いてみせました。そのときに出る木の粉も、女の子が出す削りカスも、
「これ、もらいま〜す!」
「はい、どうぞ〜」
という具合に、「ふりかけ」「かつおぶし」「みそ汁」、次々と様々な「料理」にリサイクルされていくのでした。
(この日、頑張ってカメラのシャッターをきりましたが、メモリーカードの入れ忘れでした!皆さんごめんなさい!^^;)

いきもの、特に昆虫への並々ならぬ愛着をもつY君は、
「しぜんクラスに夜(早朝)の部もあればいいのにな〜!(夜行性の昆虫を観察できるから)」
「クラスの時間で無理なら、イベントだったらどうかな〜」
などと私に提案してくれることもありました。その口ぶりに、私はY君がクラスを共担する先生であるかのような頼もしさを覚えました。

彼の中では、これからも自ずと「彼自身による『しぜんクラス』」が続いていくに違いない、最後にそう確信しましたし、また、そのようにあって欲しいとも願っています。またきっと、何かの形で再会できる日が、今から楽しみです。
一期一会の時間を重ねてきた五人の一人一人の中に、仲間と一緒に驚き、喜び、楽しんだ想い出が、しぜんの匂いや手触りとともに、いつまでも保管されますように・・・!

冬学期を迎え、改めて、クラスの意味を噛みしめる日々です。(梁川)