高木です。

今日朗読した詩は、有賀連(れん)の短いものでした。

   大きなお風呂

  誰も知らない ところです。
  とても大きな お風呂です。
  月はひとりで はいります。
  月があがった そのあとは、
  星がみんなで はいります。

この「お風呂」とは、まるで夜空のようですね。
夜空に、まず月が地平線の上に姿を現わし、中天にあがったそのあとは、星が一斉にまたたきはじめます。お風呂を「あがった」のは、夜空に「あがった」のと、掛かっているのでしょう。
T君は、お風呂が夜空とするならば、入浴剤は銀河(天の川)だと言ってくれました。実際、入浴剤の乳白色が流れるさまは、Milky Way(天の川)そのものです。
またM君は、お風呂を沸かすための火は、地平線の下にある太陽だと想像してくれました。月が光るのも、星が煌めくのも、夜空というお風呂の底で太陽が輝いているからです。
T君とM君の発想の豊かさに、今日はちょっと驚かされました。詩を読みながら、その情景が映像としてバッとひろがる、そういう感性を、これからも大切にしてほしいと思います。

漢字の成り立ちでは、今週と来週の二週に分けて「『子』の部」と題して、「子」に関する漢字を学びます。
学びながら二人は、漢字の成り立ちは基本的に「省略」の歴史であることを発見してくれました。改めて指摘されると、一部例外はあるものの、確かにその通りです。甲骨文字以来、漢字は、書く行為のなかで、洗練されてきています。
「100年後にはこんな形になるかもしれん!」と言って、M君とT君はプリントに書かれた字形の変遷の下にさらに矢印を引っぱって未来の漢字を書き足してくれました。なるほどと納得させられるものもあり、ここには現在進行形の生きた漢字の姿があると思いました。

『絵のない絵本』は「第四夜」。
小さな芝居小屋にその国の王子が見物にやってきて大騒ぎ。小屋の外にまで人が溢れ出すほどの盛況です。熱気で開け放たずにはおれない窓から人々が覗き見をするかたわら、月も視線を注いでいます。暗くなった芝居小屋に、青い月光がサッと射し込んでいる情景が、なんとも幻想的でした。

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