9/16 ことば4年生(A)

高木です。

今日は川路柳虹(かわじ・りゅうこう)の「暮れがたの海べに立ちて」を朗読しました。

  身もだえて、
  なお消えがてに
  燃えさかる
  夕べの雲。

  日は沈み、
  帆かげもなきに、
  なおのこる
  紅き夕雲。

  わがなやみ、
  海の青さに
  しずまらず。
  今日も砂の上(へ)。

  こともなく
  貝を碎(くだ)きて、
  胸に沁む
  波の音(ね)をきく。

波は浜に寄せ、胸に沁みこみます。「波が胸の中に入って来るんやで」と言ってくれたM君は、この詩の情景を深く感じてくれているようでした。書き取りをしながら、「沁みる」が、「染みる」ではなく、「氵(さんずい)」に「心」だということに、注目してくれていました。

『絵のない絵本』の「第三夜」は悲しいお話です。お月さまが空から常々見守っていた美しい娘が、金の亡者のような商人に嫁いでしまい、終には若くして死んでしまうのです。こう語るお月さまの話の中には、何度もバラが登場します。かつて美しく咲き誇り、現在は萎れてしまっているバラの花が、この娘の一生を喩えていることを、T君は指摘してくれました。