10/14 ことば4年生(A)

高木です。

今週から二回にわたって作詩に取り組みます。
 ルーマニア生まれの詩人トリスタン・ツァラ(1896-1963)はかつて、「帽子のなかの言葉」という作詩法を用いました。それは、①新聞紙の紙面をハサミで単語ごとのバラバラの言葉に分解し、②それを帽子のなかに入れ、③言葉をくじ引きのように一つずつ取りだし、④でてきた順に言葉をつないでいく、というものでした。
 しかしこれは、ツァラのオリジナルの作詩法と呼ぶほど大袈裟なものではありませんし、似たような方法は他にも沢山あると思います。素材は新聞紙でなくても良いでしょうし、言葉の並びはでてきた順を忠実に守らなければいけないということでもないでしょう。
 ただ、このような偶然を利用した「ことば遊び」のおもしろいところは、普段は思いもつかない言葉が組み合わされることによって、詩的なイメージが喚起されるということです。
 今日はまず、「しりとり」をして、出てきた単語をひとつひとつカードに書いていきました。しりとりで揃えられた素材となる言葉は、すべて自分が知っている言葉で、かつ自分の好みに偏りすぎません。これが、上記の①の代わりに「しりとり」をする理由です。
 実際に出てきた言葉は、「銀河」(M君)からスタートし、次いで「硝子」(T君)→「スキー」(私)→「金木犀」(M君)→……と続いていきました。もうこれだけで、たとえば「硝子」の「銀河」というような、実在しないけれど詩的な言葉の閃きが起こります。「ガラスに銀河が映っている」と言ってくれたのはT君です。
 今日はみんな夢中で言葉を出し合ってくれました。来週はこうしたこうした言葉をもとに、実際の作詩に取り組みます。