11/19 ことば2年生

高木です。

今日は、佐藤義美(よしみ)の「昼のお月さん」を朗読しました。

  とんび ぶつかるな
  そっと まわれ
  昼の お月さんが
  こわれるよ

  とんび とろとろ
  輪をかくな
  昼のお月さんの
  目がまわる

  とんび とんできな
  おりてきな
  昼のお月さんを
  やすませな

 ユーモラスでやさしい詩ですね。日常的な風景も、とらえかた一つで詩的な風景に変わります。
 私が育った大阪の都会では、空にとんびが飛んでいるところなどほとんど目にした記憶はありませんが(そうした情緒的な風景を気に留められなかっただけかもしれませんが(笑))、さすが京都に住むR君は、とんびの飛び方や鳴き方までよく知っていました。「とんび」という名前だけではピンとこなかったY君も、R君の表現をうけて、「ああ、あれか!」とすぐにイメージをつかんでくれました。
 また「昼のお月さん」という言葉について、R君は「太陽のことや!」と言ってくれました。私は文字通りに、昼に見える、空に白く消えそうな、あの月のことを想像していたので、R君の詩的な発想を面白いなと思いました。

 絵本は、『スーホの白い馬』(モンゴル民話)と、先週の『サーカス!』の続きを読みました。
 『スーホの白い馬』は先週R君がリクエストしてくれていたものです。私は初めて読んだのですが、とても感動的なお話でした。
 大切にしていたのに死んでしまった白馬から、スーホは馬頭琴をつくります。「スーホはどこヘ行くときも、このばとうきんをもっていきました。それをひくたびに、スーホは、白馬をころされたくやしさや、白馬に乗って、草原をかけまわった楽しさを、思い出しました。そしてスーホは、じぶんのすぐわきに、白馬がいるような、気がしました。そんなとき、がっきの音は、ますますうつくしくひびき、聞く人の心をゆりうごかすのでした。」
 R君とY君は、口を揃えて「良い話やった〜」と言ってくれました。

 『サーカス!』は、先週の続きからです。いよいよサーカスの本番が始まり、いちばん盛り上がるところです。R君は空中ブランコのシーンが印象に残ったようでした。また、冒頭にちらっとでてきた大きな灰色の筒を、先週R君は「大砲かもしれへん」と予想していたのですが、それが見事的中していることもわかりました。
 すべて読み終わった後、Y君は、「せんせい、この本はおもしろいですね」と言ってくれました。どこが面白かったか尋ねると、この本は、終りが初めにつながっている、というのです。これは、Y君の「発見」です。着眼が鋭いと思いました。