2/4 ことば2年生

高木です。

今日朗読したのは、金子みすずの「浜の石」です。

  浜辺の石は玉のよう、  / みんなまるくてすべっこい。

  浜辺の石は飛び魚か、  / 投げればさっと波を切る。

  浜辺の石は唄うたい、  / 波といちにち唄ってる。

  ひとつびとつの浜の石、 / みんなかわいい石だけど、

  浜辺の石は偉い石、   / 皆して海をかかえてる。

それぞれが朗読した後、一度だけですが、みんなで声を合わせて朗読しました。途中でだれかが詰まると、もう一度そこからになるのですが、一人で朗読するときとはまた違った心地良さがありました。
意味を確認するときに、「飛び魚」の説明をしていると、R君が助けてくれました。R君は飛び魚に詳しく、飛び魚が飛ぶのは天敵から逃げるためだとか、その天敵は水面の反射光で飛び魚を見失ってしまうとか、いろいろなことを教えてくれました。Y君と私は、ものしりR君の授業を受けます。これまでもそうでしたが、詩の朗読のときに耳慣れないものが出てくると、R君はときどき先生になります。

クラスのはじまるまえに、R君は私の顔を見るなり、「家で『京都犬』のものがたり書いてきた! 先生よんで!」と言ってくれました。そこには、都道府県の形を動物に見立てた、「京都犬」と「兵庫らくだ」の戦いが描かれていました。私が読んでいると、「今日もこのつづき書きたい!」と。

また、Y君はY君で、先週の「八百やのおっちゃん」のように、また詩を書いて、それをためて本にしたい、と言います。Y君はとくに、自分の文章を「作品」として大切に考えています。「本にしたい」というのは、そのあらわれだと思います。(このブログに作品を載せるのも、Y君自身の要望でもあります。)

それで、詩の朗読のあとは、今日も作文に取り組みました。

R君は、今日は「荒れ狂う湖」というタイトルで、「第二章」を書いてくれていました。
「愛知きょじん」と「新潟ホワイトタイガー」と「長野ザイ」の三つ巴の戦いです。
冒頭は、前回の「兵庫らくだ」が、海底に沈んでいく音の記述から始まります(それぞれの動物は都道府県=「島」でもあるので、敗れると沈みます)。
そしてその音と連動するように、「愛知きょじん」たちのやってくる音が響いてきます。壮大な戦いを予感させます。

Y君は、詩を書いてくれました。

    ドラエモンはなにやってもおかしくない
                        Y

  ドラエモンの顔に、しわは136だよ。
  おかしいな。
  おかしくない、おかしくない、
  それにしても ドラミちゃんに教えてあげるよ。
  いやー やめて。

  それじゃあ だい二しょう。
  ドラエモンが、ホッキョクグマに、かまれたら
  ゲラゲラゲタ。
  おかしくない、おかしくない。

  それじゃあ だい三しょう
  ドラエモンが、やせたら、あ、いいね。
  でもリバウンドした。
  ドテテ ちょっとぜんぜんわらえない。

  それじゃあ だい四しょう。
  ドラエモンが、ちょうでかいロボットを、つくったんだって 5mだよ。
  うわっ すごいね いいんじゃん プンプクプーン。
  でも、のび太のせいで、くずれました。
  なんだそれ、いみないじゃん

                つづく

句読点の抜け落ちや、文法の乱れ、口語の混在など、直すべきところはありますが、前回の作品と同様、Y君の詩には、ユーモアのセンスが満ちています。もしもドラえもんにしわがあったら、もしもドラえもんがやせていたら…。「もしも」は想像力の源です。

最後はいつものように、絵本を読みました。『バムとケロのおかいもの』です。
これは、このクラスで去年の四月に読みました。読みながら懐かしく、また当時は見落としていた小さな描き込みに気づいたりしました。