『英語一般』(クラスだより2011.6)

山びこ通信(2011/6月号)の記事をご紹介しています。(以下転載)

『英語一般』 (担当:浅野直樹)

この一般英語クラスは3期目に入りました。最初は長らく英語に触れていないという状況からだったのですが、毎回宿題を出していましたので、一年近く英語に触れ続けたことになります。もともと英語は得意なほうだったということで当初から中学卒業レベルの知識はありました(ここで言う中学卒業レベルとは最低限の文法事項が理解できている状態であり、それだけでも結構な水準です)。

1期目は記憶を呼び覚まそうと文法事項の説明を一通りしました。同時に日常的な素材の英文を毎回5つずつ読んできてもらいました。この時期はまだ英文の構造がどうなっているのかわからないという質問をたびたびされたものです。

2期目は文法事項の定着を目的として英文和訳と和文英訳を毎回宿題に出しました。結構な分量だったと思います。1対1の授業だったので、答案を一つずつ検討し、誤りを指摘したり別の表現を紹介したりしました。日常素材の英文を読むことは引き続き行い、特に語源に注目して語彙を増やすことに注力しました。2期目の最後のほうともなると語源的な考え方のコツをつかまれたようでした。

ここまでで高校卒業レベル(辞書さえあればおよそどのような英文でも読める、最低限意味の通じる英語を書くことができる)の力はついたと感じました。ここまでは何をするにしても共通の土台になるでしょう。ここからは興味や必要に応じて内容が変わります。論文や新聞などが読めるようにさらに難しい英文に取り組むという路線もありますが、日常的な意思疎通を行うことを重視したいということでしたので、会話の活動を取り入れることにしました。

ということで3期目のこの春学期の報告に移ります。これまでに日常的な英文であれば構造がわからないということはなくなり、簡単な一文の英語であればしっかりと書くことができるようになっていました。ここまで来ると、いざとなれば筆談か電子メールといった形でなら確実に意思疎通を図ることができるという安心感があります。

もちろん会話ができるに越したことはありません。そのほうが早いのですから。早いということは瞬時に表現が出てこなければならないということです。助動詞を用いた表現や、基本的な疑問文は考えなくても口に出るくらいになりたいものです。語彙にしても考えてわかるというよりも聞いてすぐに意味がわかるという段階に至らないと会話は難しいです。もう一つにはわかりやすく話したり聞いたりするという技術があります。first, second, thirdといった表現を用いたり、内容を明確にするような確認の問いかけをしたりすることです。今学期はこうした実践的なテクニックにも注意を払っています。

(浅野直樹)