9/11 ことば6年生(作文)

高木です。

今日は、先週書いてくれた夏休みの思い出の作文の、
添削と清書をしました。
U君は、飛騨にある、京都大学の附属天文台で、
東洋一大きな屈折望遠鏡を見たことを書いてくれていました。
具体的な数値を示しながらその望遠鏡の巨大さを述べ、
またその望遠鏡が天文学の進展に多大な貢献をしていることや、
天文学を進めている研究者への尊敬の念が語られていました。
ところどころに文法の違和感や誤字があるほかは、
構成的にもとてもよくまとまった文章で、
限られた時間に集中してくれたことが文章からもうかがえました。

添削時にU君が、「すみません、ここ直してもいいですか」と言って、
望遠鏡のレンズの口径を「六十センチメートル」から
「六十五センチメートル」に書き直してくれたので、
詳細までよく覚えているなと感心していたら、
その確認のためか、鞄から自前のノートを出してくれました。
そこには、望遠鏡を見たときのことが沢山書き付けられてありました。
他のページも見せてもらうと、
日頃関心を持ったことや見聞きしたこと、
調べたことなどがそこに延々と書き連ねてあって、非常に驚きました。
こうした習慣は、ぜひこの先も続けてほしいものです。
印象的だったのは、
T君が感心しながら「僕もやってみようかな」と呟いていたことです。
純粋な向学の姿勢は、それだけで、相手に刺激を与えるものです。
そして、素直に刺激を受けたT君もまた、U君と同様の向学心を持っています。

T君は、夏休みで印象に残った出来事として、
ボーイスカウトで舞鶴へキャンプに行ったときのことを書いてくれていました。
中でも「お出かけハイク」という取り組みが最も辛かったらしいのですが、
彼の面白いところは、それがどんなふうに辛かったのかということを、
非常にテンポよく、次々と畳み掛けるように書いてくれていたところでした。
一般的に、夏休みの思い出を作文にすると言えば、
その内容は大体は「楽しかったこと」と相場が決まっているものですが、
T君の場合、そうした常識にとらわれずに、
だからといってもちろん決して露悪的なわけでもなく、
とても印象に残る、味わい深い文章を書いてくれていました。

初稿で、原稿用紙のちょうど最後のマスまで埋めてくれていたT君は、
添削の後の、制限時間20分の清書の際に、
文字数の変動で苦心していたようですが、時間いっぱいまで、
辞書を片手にひらがなを漢字に直したり、言葉を言い換えたりして、
なんとかもう一度400字キッカリにおさめてくれました。
最後の一秒まで文章彫琢の努力を怠らない彼の姿勢もまた、見事です。