4/14&4/21 ことば3年

こんにちは、上尾です。
今年度の「ことば3年」を担当させていただきます。
どうぞよろしくお願いします。
この授業は先週から始まっていたのですが、記事を書く時間が
取れなかったため、本日行った二回目の授業とあわせて、
春学期の「ことば」の授業のスタートの様子をお伝えしたいと思います。

4月14日に第一回目を迎えた「ことば3年」の授業では、
まずそれぞれの「自己紹介」を書いてもらうことから始めました。
子供達は普段から友達同士ですので、改めて自己紹介を行う
というのは、どこか照れくさいところもあるでしょう。けれども
自分のことについて言葉で表すことは、難しいことながらも、
普段と違った形で自分を見直す良いきかっけになったことと思います。
最初は、なかなか筆が進まなかった子も、自分の好きな食べ物を書き
始めると止まらなくなったりと、思いもがけないところで個性が
見え始めます。15分ほどかけて書いてもらった文章は、その後、
みんなの前で発表してもらうことにしました。「ことば」では、
相手に伝えようとする気持ち、そして相手のことを分かろうとする
気持ちの、両方が大事です。人の発表を聞くこともまた、「ことば」の
時間で、とても重要な要素です。
残りの時間は、子供達のリクエストに従って『二分間の冒険』の冒頭
数ページを輪読しました。自分が読む番になると躊躇っていた子も、
いざ読み出すとなんとも楽しそうな様子を見て、子供達は読書や物語が
本当にすきなのだなと改めて感じた次第です。

4月24日のクラスでは、まず私のほうで宮沢賢治の「雲の信号」という詩
を用意して、みんなの前で音読しました。農村の風景を描いた詩ですが、
読んでみると、なかなか普通は目にしない言葉が見つかりました。すると、
私が促す前に、一人の子が辞書を取ってくると言い、取りに行きました。
分からない言葉があったら辞書に聞くということが既に身についていること
に驚かされました。すぐに分からなかった言葉の一つには、「岩頚」という
言葉がありましたが、辞書で引くと、それは火山と関係していることが
分かりました。こうして、詩から浮かび上がる風景が徐々に具体的になってい
きました。分からない言葉を調べた後、もう一度みんなで音読し、また、
ひとりずつ自分らしい表現で読み上げてもらった後には、この詩から
思い浮かんだ情景を絵に描いて表し、それを説明してもらうということを
行いました。言葉はさまざまなイメージを浮かび上がらせます。また、
詩の中の不思議な言葉については、いろんな解釈が考えられるでしょう。
タイトルにもなっている「雲の信号」について、「これはどういう雲だろう」
と質問を振ってみたところ、一人の子はそれを「信号機」の形の雲として
表しました。また別の子は、雨や風や雷といったことで、「信号」の意味を
表現しました。こうして、ひとつの詩から、本当に多様な世界が生まれて
くることになりました。

これからの授業では、詩だけではなく色んな側面から「ことば」と
触れ合っていきたいと考えていますが、なによりも子供達の、本が好き、
物語が好き、言葉が好きというそうした気持ちを、より膨らませて
いけるようなクラスにしていきたいと思っています。