将棋道場11月

百木です。
今回も遅くなってしまいましたが、11月の将棋道場のご報告です。

今回の将棋道場では、山下太郎先生や亮馬先生からの提案により、級別の駒落ち制度をこれまでより厳しく取り入れることにしました。
亮馬先生に指摘して頂いたことですが、現在の将棋道場では駒の動かし方を覚えたばかりの初心者(8~7級)が多数を占め、少し強い中級者(5~4)級が数名いる状態です。この両者ではだいたい角~飛車落ちくらいの実力差があります。

前回のエントリでも書いたことに関連しますが、強い子たちが弱い子相手に勝ちまくっていると、弱い子たちは強い子との勝負を避けるようになり、強い子はしだいに相手をしてくれる人が少なくなって困ってしまう、という場面を最近ちょくちょくと見かけるようになりました。
そこで駒落ち制度を(やや厳しめに)取り入れることで、実力差がある者どうしでも互角の勝負ができるようになります(それでもまだ強い子の方に有利なくらいですが)。駒落ちの仕組みは以下のものにしました。

同級  → 平手・振り駒
1級差 → 平手・先手後手(下級者が先手)
2級差 → 角落ち
3級差 → 飛車落ち
4級差 → 飛車・角落ち
5級差 → 6枚落ち

実際に数名の子たちがこの駒落ち制度で戦ってくれましたが、たいてい上手の子が勝っていたようです。初心者は、たとえ上手に角や飛車という大駒を落としてもらってもなかなか勝つのが大変です。簡単にいうと「どうやって勝てばいいのか」のコツがまだ掴めていないからだと思います。駒落ちで勝つにもテクニックが必要です。ちなみに、毎週日曜10時からNHK教育で放送している「将棋講座」では現在「高橋道雄の自由に指そう!楽しい駒落ち」というシリーズを放送中ですので、興味ある方はご覧になってみてはいかがでしょうか。駒落ちの研究も強くなるための重要なステップのひとつになります。

駒を落とした上手の子たちは、最初は角や飛車がない状態で指すのを嫌がっていましたが、実際に指してみると案外あっさり勝ってたりして、逆に自信をつけた子も多かったようです。次回以降は下手からの反撃を期待したいところです。
逆に、中級の子どもたちが亮馬先生や僕に駒落ち勝負を挑んでくることもあります。今は8枚落ち(飛車・角・金・香・桂落ち)や6枚落ち(飛車・角・香・桂落ち)で彼らといい勝負です。僕はこれまでなんとか8枚落ちで勝ち続けていますが、そろそろ負けてしまうかもしれません。駒落ち制度を活用することで、実力差がある者どうしでも同じくらいに将棋が楽しめるのは素晴らしいことだと思います。

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前回に話した「将棋では礼儀も大切」という話を皆ちゃんと理解してくれたようで、今回の将棋道場ではこれまでに比べて私語も少なく、集中して対局に取り組んでくれた子が多かったように思います。勝負後も負けた相手を馬鹿にしたり、自分が勝ったことを大声で宣伝したり、といったこともなかったです(もちろん勝った喜びを表すこと自体が悪いわけではありません。相手への最低限の思いやりと礼儀が必要ということですね)。今回はなかなかいい雰囲気でできたので、この良い緊張感を伴った状態を次回以降も続けていければ、と考えています。何より子どもたちが、僕たちが伝えたかったことを理解し、それを実践してくれたのが嬉しかったです。
もちろん、まだまだ理想の環境というわけではありませんが、将棋道場は少しずつ良い方向へ向かっているのではないかと感じています。子供たちも将棋の実力だけでなく、勝負に取り組む姿勢や礼儀などを着実に身につけてくれています。この状況をさらに良いものにしていくことができるようにこれからも頑張っていきます。