0625 英語一般

浅野です。

前回と同じ本から、「頑張り」と「おとぎ話」の項目を取り上げました。

これほどまとまった分量の英文を読むのは初めてだと言っていましたが、しっかりと読むことができています。特に今回は批評的な読み方をしてくれていました。

「頑張り」では章末に、「女性が職場に入ることが多くなるにつれて、家庭生活を営むために頑張りは減ったのか、それとも仕事を求める競争が強まったために頑張りは増えたのか?」という質問が付けられていました。ツッコミどころはいくつかあるでしょうが、Aさんは的確にも、「筆者の言う「頑張り」は職場でのみ見られるものなのか。例えば子育てを頑張るということはないのか。」と指摘してくれました。確かにこの筆者による質問を二者択一で答えるのには無理があります。

「おとぎ話」の項目の論旨は、「日本のおとぎ話には、『うぐいすの里』に見られるように、四季折々の外的な美と、女性の忍耐強さといった内的な美が表れている。」といったものでした。章末には、「『うぐいすの里』のヒロイン(うぐいす)と実際の日本女性との間の共通点は何か?」という質問がありました。しかし、この議論は取り上げる作品が恣意的で(本文では他に『炭焼長者』にも言及されていましたが、日本のおとぎ話としてこの二作品を取り上げる意図がよくわからない)、議論に説得力がなく、章末の質問は明らかに答えが想定されているようであると指摘してくれました。もちろん入門書なのである程度は仕方ありませんが。

こうした批判をしようとするならばなおさら本文を正確に読む必要があるのは言うまでもないでしょう。