ラテン語に独特な用法です。動詞から作られる形容詞です。

動形容詞の意味と用法

動詞でありながら形容詞の働きをする動詞、それが動形容詞です。日本語の「愛すべき友」といういい方を思い出して下さい。「愛する」というのは動詞ですが、「愛すべき」という形になると「友」という名詞にかかる形容詞に早変わりします。それと同じ用法です。

amīcus amandus 愛すべき友(男性)

太字の部分が動形容詞です。形容詞なので修飾する名詞の性・数・格と一致します。「愛すべき友」が女性の場合、次のように変化します。

amīca amanda 愛すべき友(女性)

動形容詞の形

動名詞と同じ作り方をします。また、第1・第2変化形容詞と同じ変化をします。

amandus amanda amandum
monendus monenda monendum
agendus agenda agendum
faciendus facienda faciendum
auiendus audienda audiendum

 

hortandus hortanda hortandum
verendus verenda verendum
utendus utenda utendum
moriendus morienda moriendum
potiendus potienda potiendum

意味と用法

  • 名詞と共に用いられ、受動的な意味を持ちます。
  • 義務、必要、適正の概念を含みます。
    • amicus amandus 愛されるべき、愛されるにふわしい友人(男性)
    • amica amanda 愛されるべき、愛されるにふさわしい友人(女性)
  • 形式所相動詞に関しても、その動形容詞は受動的な意味を持ちます。
    • res hortanda 励まされるべき、励まされるにふさわしい(事柄)

動形容詞の述語的用法

Hic liber vōbīs legendus est.
この本はあなた方にとって読まれるべきものである。
(この文のvōbīsは人称代名詞vōsの与格で「行為者の与格」と呼ばれます)。
Vēna tangenda est. 血管は触れられるべきである(血管は触れねばならない)。
Dēlenda est Carthāgō. カルターゴーは滅ぼされるべきである(カルターゴーは滅ぼすべきである)。

動形容詞の非人称表現

動形容詞が主語を持たずに単独で用いられ、ある行為がなされねばならないという意味を表す場合があり、これを「動形容詞の非人称表現」と呼びます。この場合、動形容詞は中性・単数にし、sumの3人称単数(直説法・現在)のestとともに用います。

Dē omnibus dubitandum est. あらゆる事柄について疑うべきである。
Exeundum ad lībertātem est. 自由に向かって出発すべきである。

動形容詞の例文

Nunc est bibendum, nunc pede līberō pulsanda tellus.

  • 全体の意味は、「今こそ(nunc)飲むべし(est bibendum)。今こそ(nunc)自由な(libero)足で(pede)大地が(tellus)踏まれるべき(pulsanda)。」となります。
  • est bibendum の形は、動形容詞の述語的用法(非人称構文)、pulsanda は同じく動形容詞の述語的用法(ただし、人称構文)とみなせます。
  • 前者は「飲むべきである」、後者は「大地が踏まれるべきである」となります。
  • pede は第3変化の男性名詞 pēs,-edis m.の単数・奪格で、līberō がこれにかかります。
  • līberō は「自由な」を意味する第1・第2変化形容詞 līber,-era,-erum の男性・単数・奪格で、pede にかかります。あわせると「自由な足取りで」という意味になります(「手段の奪格」)。
  • これはホラーティウスの言葉(『詩集』第一巻37.1)です。