「アプストゥリト・クラールム・キタ・モルス・アキッレム・ロンガ・ティートーヌム・ミヌイト・セネクトゥース」と読みます。
abstulitは不規則動詞 auferō,auferre(運び去る)の直説法・能動態・完了、3人称単数です。主語はmorsです。
clārumは「明るい、輝かしい」を意味する第1・第2変化形容詞 clārus,-a,-umの男性・単数・対格で Achillemにかかります。
citaは「早い」を意味する第1・第2変化形容詞 citus,-a,-umの女性・単数・主格でmorsにかかります。
morsは「死」を意味する第3変化名詞 mors,mortis f.の単数・主格です。
Achillemは「アキレウス」(ギリシアの英雄)を意味する第3変化名詞 Achillēs,-is m.の単数・対格です。
longaは「長い」を意味する第1・第2変化形容詞 longus,-a,-umの女性・単数・主格でsenectūsにかかります。
Tīthōnumは「ティートーヌス」(※)の単数・対格です。
minuitは「弱める、憔悴させる」を意味する第3変化動詞 minuō,-ereの直説法・能動態・完了、3人称単数です。主語は senectūsです。
senectūsは「老年」を意味する第3変化名詞 senectūs,-ūtis f.の単数・主格です。
「早い死が輝かしいアキレウスを奪い、長い老年がティートーヌスを憔悴させた」と訳せます。
ホラーティウスの『詩集』にみられる表現です(Hor.Carm.2.16.29)。

※〔神話〕ティートーヌス, *-ノス《Laomedon の息子で Aurora の夫;不死の生命を与えられたが, 永遠の若さの約束を取りつけていなかったため, 老いさらばえていつまでも生きている彼を女神はセミ(蝉)に変えたという》.(研究社『羅和辞典』の説明より)

ホラティウス全集
鈴木 一郎
玉川大学出版部