Animum rege, qui nisi paret, imperat.

「アニムム・レゲ・クィー・ニシ・パーレト・インペラト」と読みます。
animum は「心」を意味する第2変化名詞 animus,-ī m. の単数・対格で、rege の目的語です。
rege は「支配する」を意味する第3変化動詞 regō,-ere の命令法・能動態・現在、2人称単数です。
animum rege は「心を支配せよ」という意味です。
quī は関係代名詞quī,quae,quodの男性・単数・主格で、animum が先行詞です。ここは制限用法でなく、非制限用法とみなします。指示代名詞として訳せばよいです。「それ(心)が」。
nisi は「もし~でなければ」。英語の unless と同じ意味です。続く動詞 pāret を否定した内容の仮定の文をつくります。
pāret は「従う」を意味する第2変化動詞 pāreō,-ēre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。主語は quī ですが、animus を意味することになります。
nisi pāret で、「もしそれが(あなたに)従わなければ」。
imperat はregō と同じく「支配する」を意味します。第1変化動詞 imperō,-āre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。主語は animus です。目的語tēが省かれています。
「心を支配せよ、もしそれが(あなたに)従わなければ、(あなたを)支配するからだ」と訳せます。
quī 以下は、今訳したように理由を表すと解釈できます。
表題に先立つ部分で、īra furor brevis est. (怒りは短い狂気)と言われています。その関連で言えば、この文のanimusはīraの言い換えと解釈できます。
ホラーティウスの詩に見られる言葉です。

ホラティウス全集
鈴木 一郎
玉川大学出版部