今日生きよ(1.15.11-12)

nōn est, crēde mihī, sapientis dīcere ‘Vīvam’;
sēra nimis vīta est crastina, vīve hodiē.

わたしを信じたまえ、「こう生きよう」と口にするのは賢者にふさわしくない。
明日の生活はあまりに遠い先にある。今日生きよ。

<韻律>elegeia
nōn est, | crēde mi | hī, sapi | entis | dīcere | ‘Vīvam’;
sēra ni | mis vī | ta (e)st // crastina, | vīv(e) hodi | ē.
※韻律については『ラテン詩への誘い』(国原吉之助)参照。ただし、同書の解説(cf.p.29)に従えば、vīta estのエリジョンはvīt(a) estとなる。

<語釈>
nōn: 「~でない」。estを否定。
est: 不規則動詞sum,esse(である)の直説法・現在、3人称単数。
crēde: crēdō,-ere(<与格>を信じる)の命令法・能動態・現在、2人称単数。
mihī: 1人称単数の人称代名詞、与格。
sapientis: sapiens,-entis c.(賢者)の単数・属格。「所有の属格」の述語的用法。nōn est…sapientisで、「賢者の(sapientis)<性質>で(est)ない(nōn)」。sapientisのかかる名詞として、「性質」、「特徴」などの言葉を補って解釈する。
dīcere: dīcō,-ere(言う)の不定法・能動態・現在。中性・単数名詞として扱われ、ここでは文の主語となる。「言うことは」。
Vīvam: vīvō,-ere(生きる)の接続法・能動態・現在、1人称単数。単文における接続法の「意思」の用法。「生きよう」。
sēra: 第1・第2変化形容詞sērus,-a,-um(遅い)の女性・単数・主格。文の補語。
nimis: 「あまりに」。sēraにかかる。
vīta: vīta,-ae f.(生活)の単数・主格。文の主語。
est: 不規則動詞sum,esse(である)の直説法・現在、3人称単数。
crastina: 第1・第2変化形容詞crastinus,-a,-um(明日の)の女性・単数・主格。vītaにかかる。「明日の生活は」。
vīve: vīvō,-ere(生きる)の命令法・能動態・現在、2人称単数。「生きよ」。
hodiē: 「今日」。vīveにかかる。