お山の絵本通信vol.37

──なつかしい絵本と先生のこえ──

『3びきのくま』
トルストイ/文、バスネツォフ/絵、おがさわらときよ/訳、福音館書店1961年

[3びきのくま]

今年の4月…初めての幼稚園生活にドキドキ・ワクワクしながらも、お母さんと離れての数時間にちょっぴり心細く思っていたたんぽぽぐみの子ども達が、「先生、これ読んで!」と初めてお部屋の本棚から選んで持ってきた絵本が『3びきのくま』でした。

読み始めると周りにもたくさんの子ども達が集まり、みんなで楽しみました。3匹のくまが森へ散歩に行っている間に、女の子がくまの家へ入り色々な物を見つけて最後はベッドで眠ってしまい、帰って来たくまに見つかり逃げて行く…そんな内容のお話です。

大きさが大・中・小のイスやスープやスプーンやベッド。1番大きなイスは1番大きなおとうさんぐまのものという様に繰り返されていくお話は、私も小さい頃に読んでもらったことを覚えています。

「私だったらこのイスに座りたいなぁ。このスープを飲んでみたいなぁ。」

と絵本を見ながら想像をめぐらせ、その世界に入り込み、わくわくして楽しかったことも覚えています。昔から多くの子ども達に読まれている絵本は、やはりどこか温かくなんとも楽しく繰り返し読みたいものばかりです。

『3びきのくま』での大きなイス・中くらいのイス・小さなイスなどを見ていると、お家のお父さんやお母さんのことを思い出すのか、安心したり嬉しくなる様で、子ども達はそれから何度も「先生、くまさんのお話読んで〜!」と持って来る様になり、子ども達にとってもお気に入りの一冊になった様です。

これから子ども達がどんな絵本を手にして持って来てくれるか、子ども達と一緒にどんな絵本に出会えるか、今からとっても楽しみです。
たくさんの絵本に出会い、わくわくしたりはらはらしたり、喜んだり感動したり。色々な気持ちを共有し楽しみたいと思います。そして、子ども達にもお気に入りの絵本を増やしていってもらいたいと思っています。

文章/Rumi先生