お山の絵本通信vol.26

──なつかしい絵本と先生のこえ──

『さつまのおいも ピーマン村の絵本たち』
文/中川ひろたか・絵/村上康成、童心社1995年

私は子どもの頃から、比較的外で遊ぶことが多く、学校から帰ると、すぐに外へ飛び出し、戻ってくるのはいつも暗くなってからでした。田舎育ちの私は、今日は山へ、明日は川へと男勝りに道具を持って飛び回っていたのです。

だから子どもの頃の私は絵本とはほとんど無縁でした。しかし、おやすみ前に母の読んでくれる時間が楽しみで、それが私にとっては貴重な絵本の思い出です。

そんな私が、絵本を身近に感じるようになったのは、幼稚園教諭の道を歩み出し始めてからです。今では、絵本は子どもたちとの大事なコミュニケーションのひとつとなっています。

私たち大人はいつも絵本に隠されたメッセージを感じ取ろうとしますが、子どもたちは単純に絵を見て喜んだり、言葉のリズムを楽しんだり・・・。子どもたちと共に見ると、大変新鮮で新たな発見や、又違った楽しさを味わうことができます。

今では子どもたちとのコミュニケーションだけではなく、私にとってリラックスの為のアイテムのひとつでもあります。読んでいると日常から解き放たれ、気がつくと無心になっています。

以前、立ち寄った本屋さんで面白い絵に魅かれ手にした1冊をご紹介します。あれは、丁度遠足の時期だったかな?

『さつまのおいも ピーマン村の絵本たち』

おいもは土の中で暮らしています。ご飯も食べるし、歯もみがく。トイレにも行くし、お風呂にも入る。おいも畑に遠足バスに乗った子どもたちがやって来て、おいもと子どもたちとの綱引きの始まりです。さて・・・。

文章が単調で、ノリが良くとても楽しい絵本です。その他に園行事や季節にちなんだ絵本も多くあります。『おおきくなるっていうことは』や歌にもなった『みんなともだち』も進級や卒園などの記念に最適の絵本です。どれも是非オススメです。

絵と文で構成される絵本の面白さ、楽しい絵とシンプルなストーリーの中から想像をかきたてられたり、大事なことを学んだり、そして元気をもらったり・・・。それが、絵本の魅力だと思います。

今では外で遊ぶことと同じくらい絵本も好きになりました。

文章 Yumi先生