自然写真家 松本紀夫氏来る!詳細は近日発表します。

同氏をお呼びした趣旨は以下の通りです。

このたび「山の学校」では秋の特別講演会を企画し、講師に写真家の松本紀夫氏をお迎えすることにいたしました。

松本氏は、アラスカ在住の自然写真家として活躍された星野道夫さん(1996年8月8日没。享年43)の意志を引き継ぐ形で、精力的にアラスカの大自然をテーマとした写真を撮り続けてこられました。

今回は、そうした珠玉の写真の数々をすてきなBGMの音色とともにご紹介頂くとともに、どのような思いで日頃写真を撮り続けておられるのか、その創作の原動力ともいうべきエピソードもお聞きしたいと思います。

さて、今なぜここでアラスカの写真なのでしょうか?私自身、教育の場に携わる者として、教育という言葉が教育の枠内でのみ議論されがちであり、ややもすると陳腐な結論しか導けない現実を不幸に思います。教育というと、すぐに個人的な成功・不成功の枠内で論じる・・・これは教育というより椅子取りゲームの論理と同じです。

しかし、ときに大自然の厳しさ、大きさ、美しさに目を向けることにより、我々は文明生活の脆弱さを思い、人間の成功・不成功の小ささを思わずにいられません。

むろん「自然に帰れ」という単純なスローガンですべての問題が解決するわけではなく、大自然の伝える真実のメッセージ――私はアラスカの写真がそれを伝えてくれると思います――とは、むしろ、文明・文化を支えてきた人間存在の偉大さを尊敬する心、ひいては文明・文化を今後担うことになる子どもたちの教育の大切さを教えてくれるように思います。

このとき、我々は人として大自然の中で生かされながら、未来に希望をもつことの許される「小さくて大きい存在」であることに、誇りと責任をもつことができるでしょう。

今回のご講演は、アラスカ撮影旅行直前のご多忙な中でありながら、当方のご無理を快諾してくださって実現したものです。一人でも多くの方にご来場いただき、忘れ得ぬ感動を胸に刻んでいただきたいと心より願っています。

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