4月の入園式を終えると翌日から送迎が始まります。

はたして涙なしに登園してくれるか、どうか。

心配されない保護者はおられないと存じます。

よし、いくぞ。

ひとりで手を振って列に参加して登園し、初めての社会生活に一人で参加し、再び列に加わって家路につく。

この一連の行動を初日から完全に一人でやりぬくには相当の覚悟が必要です。

その覚悟を目の前のお子さんは今すでに固めているかもしれません。

周囲の出方をうかがってから、腹を決めるつもりかもしれません。

大人の都合で入園式の日は決められています。

その前か、その後か。誰にも子どもの心の中は見通せません。

泣き虫だと思ったAちゃんが案外ニコニコ「いってきまーす」と手を振るかもしれませんし、その逆のケースがあるかもしれません。

入園式の日にあわせて桜が咲いてくれるかどうかは誰にもわからないように、しかし、確実に4月になったら桜は咲くように、子どもたちは子どもたちなりに、必ず「よし、いくぞ」と自分に言い聞かせて列に参加し、笑顔で帰宅する日が訪れます。

自然と同じく、複数の球根のチューリップの開花がみなバラバラであるように、一人一人の花の開花日がいつかは誰にもわかりません。

しかし、必ず人生に一度、自分の意志で子どもたちは覚悟を固め、「よし、いくぞ」と自分に言い聞かせることは間違いないことです。

私はそう信じて今まで裏切られたことは一度もありません。

私がよく使う言葉に、「信じて、待つ」というものがあります。

私も、保護者の皆さんと一緒の気持ちで、お一人、おひとりの心の成長を信じて待ちたいと思っています。

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