この季節にふさわしい蕪村の俳句を園児に紹介しています。

人間は慣れると初心を忘れがちになります。俳句の取り組みも同じで、例年この時期になると慣れからくる姿勢の乱れが目につくことも出てきます。

全員がまっすぐ前を向いて声を返すのであれば、私から見て全員の目が見えるのですが、この日は下を向いて発声する子、横を向いて口を開く子がいつになく多く感じました。

私は終始一貫して「姿勢」の大切さを説いています。

このことで短く説教しました。送迎のとき、下を向いたり、横を向いて歩くのはどうか?という問いかけをしながら、また、徒競走において、横を向いたり、上を見たり、後ろを振り返って速く走れるだろうか?という問いかけも交えて、です。

俳句の時間は15分程度ですが、この時間ずっと姿勢を崩さない子がいることも事実です。特別な能力が必要なわけではありません。

安定して姿勢を崩さず当たり前のように私の顔を見て言葉を声に出せるなら、小学校に上がっても勉強で困ることはないと思います。

俳句の素読は地味な取り組みです。「これは簡単。もうわかった。はい次」という内容理解に重きを置くのではなく、江戸時代の寺子屋しかり、元来学びの姿勢を大事にする取り組みだったと想像します。

テンポよく理解しながら前に前にと進むような取り組みではないため、現代的感覚から見れば「時代遅れ」の学び方に見えますが、私の言う「姿勢」とは「集中力」の別名でもあります。

簡単に見えて継続の難しい地味な取り組みを飽きることなく繰り返すことで、子どもたちには小学校以上の勉強で要求される「集中力」を自然に身につけてほしいと願っています。

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