今日のお帰りの時、私が少し遅れてグループの先頭に行くと、年少男児が泣いています。つなぎたかったお友だちと手がつなげないと言って。

隣は年中女児ですが、穏やかな表情でしっかり手をつないでくれています(大人だと腹を立ててもおかしくない状況ですが)。

その女の子は手首に飾り物をつけています。オレンジ、水色の折り紙で作った素敵なブレスレットです。それを私に見せてくれました。

「すてきだね」と言いながら、私は泣いている男の子の気を紛らせるため、その子を含む周りの子どもたちの服や靴にオレンジや水色があることを指摘し始めました。

「あ、何々ちゃんの靴と一緒の色だ」等。子どもたちは自分の持ち物と色に関心があるので、ほんとだ、という気持ちになって泣き止むことが多いです。

するとふいに女の子は自分のブレスレットを手からはずし、隣の男の手につけてあげました。

男の子はきょとんとして、女の子の顔を見ます。もう泣いていません。

ところが、ブレスレットの「留め具」はセロテープなので、男の子の手に付けた時点でずいぶん粘着力が落ちていました。

石段を下りる間にとれて地面に落ちたので、私はあわてて拾い上げ、男の子のかばんの中に大事に入れました。

短い時間でしたが、心を動かされた出来事でした。

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