昔も今も子育てに悩む親は星の数ほどいたということを知るうえで、古代ローマの喜劇は参考になります。 2千数百年前のテレンティウスの『兄弟』の冒頭に次の独白があります。 ・・・兄貴こそ厳し過ぎるし、あれではお世辞にも褒められ・・・
「西洋古典」の記事一覧
2023-08-06 心の平和について
2000年前のローマの詩人ルクレティウスが平和の祈りの書を書きました。 イエス・キリストが誕生する以前の話です。 内乱のローマにて、真の平和の実現の条件は一人一人が心の平和を実現することであると考え、そのための処方箋を7・・・
2023-07-31 普遍的ローマの英雄像について
先日のラテン語の夕べの資料の一部を紹介します。 岡道男、「ウェルギリウスの英雄像」(『ギリシア悲劇とラテン文学』、岩波書店 1995、p.241-271)より、次の3つのポイントを抜き出して紹介しました。 1)「キケロー・・・
2023-07-27 歴史の教科書を読んであれこれ思う
日記というより雑談です。 週末の「ラテン語の夕べ」(=ローマ文化の独自の価値に光を当てる趣旨)の内容にも関係する話ですが、山川出版社の歴史の教科書に次の記述があり目を疑いました。(この調子だと他の記述も批判的に見ていかな・・・
2023-07-21 明日はラテン語の夕べ
明日はラテン語の夕べがあり、ラテン語に関心を持つ方を対象にお話をします。 具体的には次の本の21-30番の解説をします。 29日(土)と30日(日)は「古典古代の英雄像」という共通テーマのもと、山の学校の漢文の斎藤先生が・・・
2023-06-05 FESTINA LENTE:ゆっくり急げ
元はギリシャ語の格言です。 ラテン語のフェスティーナー・レンテー(festina lente)の形で知られています。 「ゆっくり急げ」と訳されます。「急がば回れ」の意味です。 京大の西洋古典学教室を設立した故田中秀央(ひ・・・
2023-05-28 子どもはリーベリー
昨日の続きを少しお話しします。 ラテン語を学ぶ意味はなくはないというお話です。 ラテン語で「子ども」のことをリーベリーといいます。 liberiは「自由な人」の意味です。 英語のliberty(自由)と関係しています。 ・・・