ようちえんのせんせいになりたい

ようちえんのせんせいになりたい

第一子である長女は北白川幼稚園を卒園し、現在楽しく小学校に通っています。この子の幼稚園入園にあたっては、深く考えることもなく、最寄りだという理由で、こちらの幼稚園にお世話になることにしました。私が、子どもの発達に関して勉強したことがあり、子どもの適応力はすごいものだと思っておりましたから、よほど特殊なことをしていない限り、同年齢の子ども集団とそれを見守る専門性をもった大人がいれば、幼稚園はどこでも一緒だと思っていたのです。その考えは、入園後、良い意味で間違っていたと気づかされました。

長女は、入園前からずっと、争いごとを好まない子でした。1歳半ごろから、子どもは他者の持っているものがほしくなるのが当たり前だと思うのに、取られたら泣かず騒がず他のものに向かう、という習性の持ち主。その様子を見て、半分はこれはこの子の持って生まれた性格だからこの性格と折り合って生きていくすべを自分自身で身に着けてもらうしか仕方ないと思いつつ、半分は親として面倒なことにならないから楽だわ、と思って放置していたのでした。

その長女が入園して、まだ1か月たつかたたないかのゴールデンウイークあけに実施された家庭訪問で、担任の先生は、お友達がほしそうにしていたら言われる前にでも自分の使っているおもちゃを差し出したりする長女の様子に既に気づかれており、「『待ってねと言ってもいいんだよ』と伝えています。」とおっしゃいました。そのときに、私が親としてするべきなのにさぼっていたことをこの先生がちゃんとしてくださっているということに感謝するとともに、この幼稚園に入園してよかった、と強く思いました。

激しく泣いたり分かりやすい行動で表現したり、という内容ではなく、長女の行動は気にとめるまなざしがなければ、気づかずにいて当然のものだと思うのに、こんな短時間で、ちゃんと見つけて対応してくださるなんて、と驚きました。これが、ただ資格を取ったというだけの専門性ではなく、本当の意味での幼児教育における専門性なのだ、と感じたのです。決して、幼稚園はどこでも一緒、ではないのだと。この担任の先生だけでなく、北白川幼稚園の先生方は、みなさん同様に子どもひとりひとりを理解し対応してくださる専門性をお持ちであると、その後の幼稚園生活を通して思うに至りました。その先生方を支えておられるのは、何よりも子どもの成長のために、ということを常に中心に考えておられる園長先生や副園長先生の姿勢なのだろうと思います。

この家庭訪問の2日後に、次女が生まれることになり、入園早々に大きな変化を体験する長女のことを心配していましたが、家族以外の信頼できる大人としての先生方とのつながりをはやくも作っていたことで、特に大きな動揺もなく、その後も毎日楽しく幼稚園に通うことができました。特に年少の1年は、自由遊びの時間には、親が思うに人がたくさんいる砂場を避けて、人が少なそうな鉄棒や雲梯の周辺でほとんどの時間を過ごしていたと思うのですが、そういった自分で選べる過ごし方を大事にしてくださったことにも感謝しています。その副産物として、鉄棒が得意になりました。そして年中・年長では、お友達と楽しく遊ぶ時間も無理なくどんどん増えていったように思います。

そして、卒園する前に描いた将来の夢は、「ようちえんのせんせいになりたい」というものでした。これも、先生方が大人としての素敵なモデルになってくださったからだと思います。この年齢の女の子で幼稚園の先生になりたいと思う子は多いと思いますが、長女がその夢について描いた絵は、北白川幼稚園のおはじまりのときのスタイルである、先生を囲んでみんなが半円形に座っているところであったり、私や妹を相手にようちえんごっこをするときには、後ろ向きで先頭に立って引率する場面を好んだりというところから、彼女がなりたいのは、どこでもいい幼稚園の先生ではなく、ほかならぬ「おやまのようちえんのせんせい」なのだろうな、とほほえましく思っています。そんな思いを与えてくださったことに、本当に感謝しています。

一点、冗談まじりですがちょっぴり残念なのは、家が近すぎたことでしょうか。遠くから来られていたお友達は、毎日かなりの距離を歩くことで、とても体力がついておられるように思います。小学校に歩いて通うのもなんの問題もなくてよかった、という話をよく耳にします。うちは近すぎたせいで、その恩恵にはあずかれなかったかな、と、、、(ないものねだりですね)。ただ、ひみつのお山をかけまわったり木に登ったりすることで、親はついていけないほどの脚力は間違いなくついているのですが。

この春からは次女が、年少として通い始めました。この子も毎日、それはそれは楽しみに幼稚園に通っています。園長先生、副園長先生、りょうま先生がアップしてくださる幼稚園生活の写真を見ると、家庭ではなかなか見られないような笑顔を見ることができ、嬉しい限りです。こちらはどんな3年間を過ごしてくれるのかな、と親としても楽しみにしています。

関連記事: