H.K.

12月から4ヶ月間、山の学校のラテン語クラス(初級)で山下先生にご指導いただいた者です。一学期でなんとか『ラテン語初歩』(田中利光著)を終えることができました。後に続く皆さんのために体験や感想を書くよう求められましたので、僭越ながら、今回の体験を少し述べたいと思います。

私は十数年前に大学院生であったときと、その後教員になってから2回、ラテン語を学ぼうとして、いずれも果たせませんでした。今回、山の学校で山下先生が直接教えてくださるということを知り、しかも、1月半ばで勤務先の授業が終り、1~3月は比較的自由な時間が多く取れるという事情もあって、千載一遇のチャンスとばかり申し込みました。

3度の失敗経験および独・仏語を学んだ際の経験から、たとえ浅くとも、短期間に文法の全体を終えることが何より大切だと思っていました。私の好きなペースで進んでよいとのことなので、やや無謀ながら、1回3課以上の予習をノルマとし、章末の和訳および羅訳の課題を準備していきました。

名詞・動詞・形容詞等の変化など、完全に覚えないと先へ進まないやりかたでは、また挫折するのが目に見えていました。ともかく前へ進み続けること、完全には覚えられなくとも、後ろは余り振り返らないことを方針としました。

およそ文法の全体が見渡せ、文章を読むときに、今文法のどのような事項が問題となっているのかが分かるようになることと、辞書が引けるようになることを、さし当たっての目標としました。そして4ヶ月、かなり忙しく走り続けましたが、何とか目標をぎりぎりの線でクリアーできたのではないかと思っています。

4月からは、キケロの作品をゆっくりと読みながら(1週間に数行読めればいいと思っています)、松平先生の『新ラテン文法』を使って苦手なところを少しづつ克服していこうと思っています。

なお、『ラテン語初歩』は、簡潔でとても学びよかったのですが、解説は余り詳しくないので、大西英文先生の『初めてのラテン語』や松平先生の『新ラテン文法』を適宜参照して補足しました。

以上、山下先生のご指導への感謝をこめて、50の手習いの報告といたします。
(2004.3)