福西 亮馬

このクラスでは、小学校中程度(3・4 年)の算数、すなわち、かけ算を基礎として、割り算、小数、分数の入口まで、数の世界を案内することを目的としています。

また初級・上級と同様、ドリルによって自信を培うことも大事にしています。特に小学生の時期に、大人にそばに付いて見てもらった思い出は、将来、数学の力を引き出す源になります。(この思い出はお家でも作れますし、お家と先生(複数の大人)で見るのであれば最高です)

今年度は、非常に好奇心の旺盛な生徒に恵まれました。そして自然と、発展的なことにまで触れました。たとえば、2×2×2…を電卓で叩き続けると、

(1=20),2,4,8,16……1048576,2097152,4194304,8388608,16777216……

といった数が得られますが、これを単に「数字の羅列」と見て、「0 から9 のどの数字がよく現れるか?」を調べたことがありました。(この問題は、何となく生徒の興味に添ううちに、その生徒が私の内から引き出してくれたのでした)。そして数字の個数を紙に書き出すうちに、

偶数:2>4>6(>8?)>0
奇数:1>3>5(>7?)>9 (>は数字の個数の関係)

という傾向がありそうだ、ということに気付いたのでした。24 番目の数まで取って調べた結果ですが、それを100 番目の数まで取っても、上の個数の関係は、保たれたままだろうか?それとも変化するのだろうか?──私にも答は分かりませんでした。

もちろんどこの教科書にも載っていません。でもそれを考えていたんだ──そういう思い出が、きっと将来の「数の情緒」となるのだろうと信じます。
(2005.2)