ことば3~4年(2017/3/14)

福西です。

この日の「まとめる」(要約の練習)の文章は、『ロウソクの科学』(ファラデー、竹内敬人訳、岩波文庫)から取りました。

しかし、私が「はく息でロウソクを消してしまう」ともうし上げたら、みなさんはどう思いますか。「ふき消す」といっているのではありません。

ただ、私がはく息の中では、ロウソクは燃えない、といっているだけです。さて、私の口を左がわのガラス管の開き口にあてがい、炎をふくことはせずに、私が口からはく息以外の空気が、管の中に入らないようにします。

結果をごらんなさい。ロウソクは消えます。ですが、私はロウソクをふき消したりはしませんでした。私はただ、はき出した空気を開き口から送りこんだだけです。

酸素不足のため、火が消えたというだけのことで、それ以外の理由はありません。何かが、といっても、じつはそれは私の肺ですが、空気から酸素を取り去ったのです。そのために、送りこまれた空気の中には、ロウソクが燃えるだけの酸素がなかったのです。

ファラデー『ロウソクの科学』(竹内敬人訳、岩波文庫)第6講より

以下、生徒たちの要約です。

ロウソクをとじこめて息をすってからはくと、さんそ不足で火が消えただけでそれいがいの理由がない。空気からさんそを取り去って送りこまれた空気の中には、ロウソクがもえるだけのさんそがなかった。

(Mちゃん)

「ロウソクを消してしまう」と言うと、あなたはどう思いますか。ふきけすことではありません。みてください。ロウソクはきえました。なぜかというと、はいから(二酸化炭素を)出したのですが(そして)さんそを取り去ったのです。

(Sちゃん)

私の口を左の管の口につけます。私が口からはく息以外の空気が入らないようにします。結果をごらんなさい。消えます。しかし、ふき消していません。酸素不足で消えたのです。空気から酸素を取ったので消えたのです。

(M君)

ファラデーという男がいました。その人はロウソクをすって消した人です。どうやったかというと、すってさんそ不足にして火が消えた、それだけできえたのです。

(R君)

二さんか炭そだけになると火が消える。さんそ不足になると火は消える。それをファラデーさんがせつめいしてロンドンの人におしえた。

(T君)

 

それから、『ロウソクの科学』の最後の一文を、ことばクラスの一年間のしめくくりとして読みました。

この連続公演にも、終わりのとき──何ごとにも、いつかは終わりがくるものです──が近づいてきました。

最後にあたって、若いみなさんに伝えたいのは「来るべきみなさんの時代において、ロウソクのようになってほしい」という私の願いです。それは、みなさんがロウソクのように、光り輝いてほしいということです。

すなわちみなさんのすべての行動において、人類に対するみなさんの義務の遂行において、みなさんの行動を正しく、有益なものにすることによって、ロウソクのように世界を照らしてください。

ファラデー『ロウソクの科学』(竹内敬人訳、岩波文庫)第6講より

ここで、「ファラデーは人間にとっての『ロウソクの光』にあたるものは何だと言っているでしょう?」と質問しました。生徒たちからは、「義務の遂行」「行動を正しく有益なものにすることによって」という返事がありました。正しく読めていました(^^)

残りの時間は、2日後の「かるた会」の読み札を選んでもらいました。結局、100首全部を読むことになりました。かるた会の様子は、後日アップいたします。