June 13, 2004

6/10のかず

福西です。今日は高学年の「かず」担当でした。

今日は、生徒3人にマーカーを握ってもらい、
ホワイトボードを回しながら、先生役をしてもら
いました。

議題は、

一、 なぜ、3/8÷3/4=3/8×4/3 になるの?

二、 0/5=0 でも、5/0=? 

三、 1-2+3-4+5-6+7-8+9-… は、どんな数?

です。

しかしこの試みは、いきなり脱線。

まず最初の、

分数の割り算は、どうして「ひっくりかえす」の?

という議題ですが、「まだ割り算は習ってへん」
ということでした。すみません…。

ところがそのことが判明するまでに、これを自分
の知識で解こうとした生徒がいます。

分数の割り算は習っていないけれど…

3/8=3÷8  3/4=3÷4

3/8÷3/4 
      =0.375÷0.75 ←「小数の割り算」(習った)
      =0.5       ←小数の答
      =1/2       ←分数の答に変換

「できた!」

これはこれで、すごいですね。なぜなら知っていること
を駆使してくれたからです。

他の2つの議題については、何とか議論の恰好が
付きましたが、その後で、私は大事なことを学びました。

それは、「知っていることを絞り出した後は、知らない
ことを聞きやすいムードになっている」

ということです。

「学校で分からへん所ない?」と私が聞いたのは、授業が
残り5分になってからですが、生徒たちが、こちらが思うよ
りも意外とすんなりと、それぞれ不明に思っている所を言っ
てくれたことが、印象的でした。

「あんな先生、教えてほしいことがあるの。約分と通分って、
どう違うの?」

「約分は、どうして最小公倍数でやらないと、いけないんで
すか?」
「それ、私も知りたーい」

2つ目の疑問の意味は、
  1    1
 --- + --- = が、
  4    6
     6                    3 
なぜ --- としてはいけないのか? なぜ---- なのか?
    24                    12←最小公倍数

ということですが、しかしそれは「約分」ではなくて、「通分」
なのです。このことを質問した生徒は、自分の言おうとして
いることを

  3    1     18    4      9   2
 --- × --- =  --- × --- ?   --- × --- ?
  4    6    24   24      12  12

と説明してくれましたが、ここで約分と通分が混ざっていることが
私にも分かりました。
このかけ算では「 /24? /12?」と、通分、つまり分母を
揃えることではなく、しなければならないのは、分子分母を消す、
つまり約分の方です。
上のように通分(もどき)のことをすると、答が遠くなってしまい
ますね。

「約分は ×のとき、通分は+のとき」

のものです。

こうしたあやふやな点を、ぎりぎり発見でき、また説明できたのが、
今回の大きな喜びです。この10分間のオーバータイムが最初から
実は「なくてはならない」のだと感じました。

そして、知識伝達型を反省して、議論型の授業を試みたのですが、
結局、知識を全く伝えることをしない授業では、同様に片手落ちだと
いうことに気付いたのでした。

むしろ議論と知識伝達との両方が、両方ともに意義を与えるのです。

議論において、既知の知識を他人に説明することで、より確実にした
生徒は、不確実な知識を内に感じた時、そのままにしておこうとはしな
いものです。それが今回、いつもだったら恥ずかしくて聞こうとしなかった
質問の形となったのだと感じます。

基礎があいまいな議論だけでは、未知の問題に対して頭から湯気が
出た状態のまま終わってしまいます。しかし、その後にさりげなく知識
の吸収というカタルシスがあることで、先の議論は、普通なら受動で
あるところの知識の吸収を、能動にする役割を果たしてくれるのだと
思います。

私にとって6/10の授業は、「知識の伝達」か「議論」かのペラペラの
裏返しではなく、両方を組み合わせたボリュームのある授業が作れ
ないかということを考えていた、大事な出発点のように思われるので、
ここに記しておきます。

Posted by at June 13, 2004 11:32 AM
Comments

ソクラテスも「無知の知」という言葉を残した
とされますね。無知の知は、無知の無知に
まさるということになります。孔子自身は、
「知る」と言うことに関して、「知ることと
知らないことを区別すること、それが知る
ことである」と述べました。生徒が複数
集まると、たくさんの?が集まるので、
自分の知らなかった?に出会える喜び
があると思います。

Posted by: 山下太郎 at June 13, 2004 12:28 PM
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