Archive for the ‘酒’ tag
Ergo bibamus.
「エルゴ・ビバームス」と読みます。
ergo は「だから」を意味する接続詞です。
bibamus は「(酒を)飲む」を意味する第三変化動詞 bibo の接続法・能動相・現在、一人称複数です。「・・・しよう」と呼びかける表現と理解できます。
「だから、さあ飲もう」と訳せます。
飲むこと先にありきの場合、口実は後からいくらでもついてきます。うれしいから飲む、悲しいから飲むといった具合に。
Fecundi calices quem non fecere disertum?
「フェークンディー・カリケース・クェム・ノーン・フェーケーレ・ディーセルトゥム」と読みます。
fecundi は「豊富な」を意味する第一第二変化形容詞、男性複数主格です。
calices は「葡萄酒」を意味する第三変化男性名詞 calix の複数主格です(fecundi と同格)。
quem は疑問代名詞 quis の男性・単数・対格です。「誰を」と訳します。
fecere は「(AをBに)する」を意味する第三変化動詞 facio の直接法・能動相・完了、三人称複数です。
diserutum は「雄弁な」を意味する第一第二変化形容詞、男性・単数・対格です。
「豊富なぶどう酒は誰を雄弁にしなかったか(必ずした)」と訳せます。
ホラーティウスの表現です(Carm.3.21)。
関連図書:
The Complete Odes and Epodes: with the Centennial Hymn (Penguin Classics)
Horace Betty Radice 
In vino veritas.
「イン・ウィーノー・ウェーリタース」と読みます。
前置詞 in の次に名詞の奪格の形(この文では vino)がくると「・・・において」と訳せます。
vino は「葡萄酒」「酒」を意味する名中性名詞 vinum の単数・奪格です。
veritas は「真実」、「真理」を意味する女性名詞の単数・主格で、この文の主語です。
「酒に真実あり。」と訳せます。
大プリーニウス『博物誌』に見られる言葉です。
Multae sunt causae bibendi.
読みは、「ムルタエ・スント・カウサエ・ビベンディ」。
multae は「多くの」を意味する第一・第二変化形容詞 multus, -a, -um の女性・複数・主格で、causae にかかります。
sunt はこの文の動詞で、主語は causae です。「・・・がある」という意味になります。
causae は、「原因・理由」という意味を持つ第一変化の女性名詞で、複数・主格の形になっています。
bibendi は「飲む」を意味する第3変化動詞 bibo (ビボー)の動名詞・属格で、causae にかかります。「飲む理由」となります。
全体として「飲む理由はたくさんある。」という意味になります。
飲むこと先にありきの場合、口実は後からいくらでもついてくる、というニュアンスでしょう。
Multae sunt causae bibendi. 飲む理由はたくさんある
Multae sunt causae bibendi. 飲む理由はたくさんある
「飲むこと先にありき」の場合、口実は後からいくらでもついてきます。うれしいから飲む、悲しいから飲むといった具合に。どんなときでも酒好きにとって、「だから、さあ飲もう!」(Ergo bibamus.)という言葉は万能です。
ホラーティウスの詩に Nunc est bibendum. という言葉が見られます。「今こそ飲むべし」という意味で、慶事を祝し「さあ、飲もう」と呼びかけています。
Nunc est bibendum, nunc pede libero pulsanda tellus.
「今こそ飲むべし。今こそ自由な足で大地を踏むべし。」
飲酒に関する格言としては、「酒の中に真理あり」(In vino veritas. )が有名で、酔えば本性が現れるという意味で用いられます。Vinum animi speculum. (酒は心の鏡)という言い方もあります。
酔いつぶれることをラテン語では ebrietas と言います。Aliud vinum, aliud ebrietas. (飲酒と酩酊は別のこと)といわれるとおり、飲酒も度を越えると酩酊にいたります。セネカによれば、「酩酊とは、自発的な狂気以外の何物でもない」(Nihil aliud est ebrietas quam voluntaria insania.)と手厳しく、同様に酩酊を戒める格言としては、「酩酊は汝から節度と財産と名誉を奪う。」(Ebrietas mores aufert tibi, res et honores. )などがあります。
Nihil aliud est ebrietas quam voluntaria insania.
「ニヒル・アリウド・エスト・エーブリエタース・クァム・ウォルンターリア・インサーニア」と読みます。
Nihil は英語の Nothing に相当する言葉です。中性・単数・主格です。
aliud は、「別の」を意味する第一・第二変化形容詞 alius, -a, -um の中性・単数・主格で nihil を修飾しています。
quam (英語の than に相当)以下以外の (=quam) 別の (aliud) いかなるものでもない (nihil) 。
言い換えれば、主語に当たるもの (ebrietas) は、quam 以下(=voluntaria insania) に他ならない、という意味です。
ebrietas は「酩酊」を意味する第三変化名詞・女性・単数・主格です。この文の主語です。
voluntaria は、「自発的な」を意味する第一・第二変化型形容詞 voluntarius, -a, -um の女性・単数・主格です。insania を修飾しています。
insania は「狂気」を意味する第一変化名詞・単数・主格です。
「酩酊とは、自発的な狂気以外の何物でもない」という意味です。
セネカの『倫理書簡集』(83.18)に見られる言葉です。
関連図書:
セネカ哲学全集〈5〉倫理書簡集 I
兼利 琢也 
Nunc est bibendum, nunc pede libero pulsanda tellus.
「ヌンク・エスト・ビベンドゥム・ヌンク・ペデ・リーベロー・プルサンダ・テッルース」と読みます。
全体の意味は、「今こそ(nunc)飲むべし(est bibendum)。今こそ(nunc)自由な(libero)足で(pede)大地が(tellus)踏まれるべき(pulsanda)。」となります。
est bibendum の形は、動形容詞の述語的用法(非人称構文)、pulsanda は同じく動形容詞の述語的用法(ただし、人称構文)とみなせます。
前者は「飲むべきである」、後者は「大地が踏まれるべきである」となります。
pede は第三変化の男性名詞 pes (ペース),-edis の単数・奪格で、libero がこれを修飾しています。
libero は「自由な」を意味する第一・第二変化形容詞 liber, -era, -erum の男性・単数・奪格で、pede にかかります。あわせると「自由な足取りで」という意味になります(手段の奪格)。
これはホラーティウスの言葉(『詩集』第一巻37.1)です。
Nunc vino pellite curas.
「ヌンク・ウィーノー・ペッリテ・クーラース」と読みます。
nunc は「今」を意味する副詞です。
vino は「酒、葡萄酒」を意味する第二変化中性名詞、単数・奪格です。
pellite は「追放する」を意味する第三変化動詞 pello の命令法・能動相・現在、二人称・複数です。
curas は「心労、悩み」を意味する第一変化名詞、複数対格です。
「今こそ酒によって悩みを追い払え」と訳せます。
ホラーティウスの詩句です。
Vino aluntur vires, sanguis, calorque hominum.
「ウィーノー・アルントゥル・ウィーレース・サングイス・カロルクエ・ホミヌム」と読みます。
vino は「酒」を意味する第二変化中性名詞 vinum の単数・奪格です。「酒によって」と訳せます。
aluntur は「養う」を意味する第三変化動詞 alo の受動相・現在・複数・3人称で、主語は vires, sanguis, calorque です。「養われる」という意味になります。
vires は「力」を意味する第三変化名詞 vis の複数・主格です。
sanguis は「血」を意味する第三変化名詞 sanguis の単数・主格です。
calorque は calor と -que に分解できます。-que は「そして」を意味する言葉です。この文では主語が vires, sanguis そして calor の3つあるので、その最後の名詞に -que をつけています。calor は「熱」を意味する第三変化名詞 calor の単数・主格です。
hominum は「人間」を意味する第三変化名詞 homo の複数・属格で、この文の3つの主語にかかっています。
全体で「人間の力、血、熱は酒によって養われる。」と訳せます。
大プリーニウス『博物誌』に見られる言葉です。
Vinum novum in utres novos mittendum est.
「ウィーヌム・ノウム・イン・ウトレース・ノウォース・ミッテンドゥム・エスト」と読みます。
vinum は、中性・単数・主格で「ぶどう酒」という意味。
それを novum(新しい)が修飾しています。辞書の見出しでは novus を見てください。
utres は第三変化名詞(男性)uter,-tris(ウーテル)の複数・対格です。
novos(男性・複数・対格)がそれを修飾。
mittendum は第三変化動詞 mitto(送る)の「動形容詞」で、vinum と性・数・格が一致しています。中性・単数形になっているのはそのためです。「送られるべき」と訳せます。
「新しいぶどう酒は新しい革袋に入れなければならない。」となります。