Archive for the ‘第三変化形容詞’ tag
Amicus omnium amicus nullorum.
「アミークス・オムニウム・アミークス・ヌッロールム」と読みます。
amicus は「友」を意味する第二変化名詞、単数主格です。
omnium は「すべての」を意味する第三変化形容詞 omnis の男性・複数・属格で amicus にかかります。この文では名詞的に使われ「万人」を意味します。
nullorum は第一・第二変化形容詞 nullus, -a, -um の男性・複数・属格で、この文では名詞として使われています。英語の no one, nobody の意味を表します。
「万人の友は誰の友でもない」と訳せます。
八方美人を戒める言葉です。
Di a nullo videntur, ipsi autem omnia vident.
「ディー・アー・ヌッロー・ウィデントゥル・イプシー・アウテム・オムニア・ウィデント」と読みます。
di は「神」を意味する第2変化名詞 deus の複数主格です。
nullo は「何の・・・も・・・ない」を意味する形容詞、男性・単数・奪格です。ここでは名詞的に用いられ、英語でいえば no one, nobody に相当する意味を表します。
videntur は「見る」を意味する第二変化動詞 video の直説法・受動相・三人称複数です。主語は di です。
受動態の構文で前置詞 a + 奪格は「行為者」を示します。英語なら by +名詞となるところです。
ipsi は代名詞 ipse の男性・複数・主格です。ここでは「神々自身が」という意味になります。
autem は「一方、しかるに」を意味する接続詞です。
omnia は「すべて」を意味する第三変化形容詞 omnis の中性・複数・対格です。vident の目的語です。この文では名詞化されています。
vident は「見る」を意味する video の直接法・能動相・現在、三人称複数です。
「神々は誰にも見られないが、神々自身はすべてを見ている」と訳せます。
Difficile est modum tenere in omnibus.
「ディッフィケレ・エスト・モドゥム・テネーレ・イン・オムニブス」と読みます。
difficile は「困難な」を意味する第三変化形容詞 difficilis の中性・単数・主格です。
modum は「慎み、抑制」を意味する第二変化名詞 modus の単数対格です。tenere の目的語です。
tenere は「つかむ、保持する」を意味する第二変化動詞 teneo の不定法・能動相・現在です。
omnibus は「すべて」を意味する第三変化形容詞 omnis の中性・複数・奪格です。この文では「万事」を意味する名詞として使われています。
「万事において慎みを持つことは困難である」と訳せます。
Gallia est omnis divisa in partis tres.
「ガッリア・エスト・オムニス・ディーウィーサ・イン・パルティース・トレース」と読みます。
Gallia は「ガッリア(今のフランス、スイス)」を意味する女性名詞です。
omnis は「すべて」を意味する第三変化形容詞、女性・単数・主格です。
divisa は「分ける」を意味する第三変化動詞 divido の完了分詞、女性・単数・主格です。est とあわせ「分けられている」と訳せます。
partis は「部分」を意味する第三変化女性名詞 pars の複数・対格です。
tres は「三」を意味します。女性・複数・対格で partis にかかります。
in は対格を支配します。in partis tres は「三つの部分に」と訳せます。
「ガッリアは全体として三つの部分に分かれている」と訳せます。
カエサルの『ガリア戦記』冒頭の言葉です。
関連図書:
ガリア戦記 (平凡社ライブラリー)
ガーイウス・ユーリウス カエサル Gaius Julius Caesar 
※この翻訳はラテン語MLでの読書会をきっかけとして誕生したものです。
Homo est sociale animal.
「ホモー・エスト・ソキアーレ・アニマル」と読みます。
homo は「人間」を意味する第三変化名詞、単数主格です。
sociale は「社会的な」を意味する第三変化形容詞 socialis, -e の中性・単数・主格です。
animal は「動物」を意味する第三変化中性名詞、単数主格です。
「人間は社会的な動物である」と訳せます。
表題はセネカに見られる表現です。
元になるのはアリストテレスのギリシャ語です(『政治学』1253a3)。
Imperii vel divitiarum causa bella atque certamina omnia inter mortales sunt.
「インペリイー・ウェル・ディーウィティアールム・カウサー・ベッラ・アトクェ・ケルターミナ・オムニア・インテル・モルターレース・スント」と読みます。
imperii は「権力、支配権」を意味する第二変化名詞 imperium の単数属格です。
vel は「あるいは」を意味する接続詞です。
divitiarum は「富、財産」を意味する第一変化の女性複数名詞 divitiae の属格です。
causa は「原因、理由」を意味する第一変化名詞、単数奪格です。属格と組み合わせて、「<属格>のために」と訳せます。
bella は「戦争」を意味する第二変化名詞 bellum の複数主格です。
certamina は「争い」を意味する第三変化中性名詞 certamen の複数主格です。
omnia は「すべての」を意味する第三変化形容詞 omnis の中性・複数・主格です。
inter は「・・・の間の(で)」を意味する前置詞です。対格をとります。
mortales は「死すべき、人間の」を意味する第三変化形容詞 mortalis の男性・複数・対格です。この文では名詞的に使われていて、「人間」を意味します。
sunt は sum の複数三人称の形です。ここでは「存在する、生じる」といった意味を表します。
「戦争も人間の間のあらゆる争いも、権力か富を求めて(・・・のために)生じる」と訳せます。
サルスティウスの言葉です。
Industriae nil impossibile.
「インドゥストリアエ・ニール・インポッシビレ」と読みます。
industriae は「勤勉」を意味する第一変化名詞 industria の単数与格です。
nil は英語の nothing に相当する nihil の別形で、「無」を意味します。中性・単数・主格です。
impossibile は「不可能な」を意味する第三変化形容詞、中性・単数・主格です。
動詞の est が省略されています。
「勤勉にとっては何事も不可能ではない」という意味です。
Omnes una manet nox.
「オムネース・ウーナ・マネト・ノクス」と読みます。
omnes は「すべて」を意味する第三変化形容詞 omnis の男性・複数・対格です。manet の目的語です。この文では「すべての人々」を意味します。形容詞の名詞適用法と呼ばれます。
una は「ひとつの」を意味する第一・第二変化形容詞 unus, -a, -um の女性・単数・主格です。nox にかかります。
manet は「待つ、待ち受ける」を意味する第二変化動詞 maneo の直接法・能動相・現在、三人称単数です。
nox は「夜」を意味する第三変化女性名詞、単数主格です。この文の主語です。
「すべての人々をたった一つの夜が待ち受ける」と訳せます。
その夜は別名 mors (モルス)、すなわち死です。
ホラーティウスの詩に見られる表現です。
Omnia aliena sunt, tempus tantum nostrum est.
「オムニア・アリエーナ・スント・テンプス・タントゥム・ノストルム・エスト」と読みます。
omnia は「すべて」を意味する第三変化形容詞 omnis の中性・複数・主格です。ここでは名詞的に扱われています。
aliena は「他人の」を意味する第一・第二変化形容詞 alienus,-a,-umの中性・複数・主格です。
tempusは「時間」を意味する第三変化名詞、単数・主格です。
nostrum は所有形容詞 noster,-tra,-trum (私たちの)の中性・単数・主格です。
「万物は他人のもの。時間だけが自分のもの」と訳せます。
セネカ、『倫理書簡集』に見られる表現です(1.3)。
セネカ哲学全集〈5〉倫理書簡集 I
兼利 琢也 
Palleat omnis amans.
「パッレアト・オムニス・アマンス」と読みます。
palleat は「青ざめる」を意味する第二変化動詞 palleo の接続法・能動相・現在、三人称単数です。「・・・すべし」というニュアンスを帯びます。
omnis は「すべての」を意味する第三変化形容詞、omnis の男性・単数・主格です。amans にかかります。
amans は「愛する」を意味する第一変化動詞 amo の現在分詞、男性・単数・主格です。ここでは「恋人」の意味で使われます(名詞的用法)。
「恋する者はみな青ざめた顔をせよ」と訳せます。
ローマの恋愛詩人オウィディウスの言葉で、『恋の技術』に出てくる表現です。
Verbum semel emissum volat irrevocabile.
「ウェルブム・セメル・エーミッスム・ウォラト・イッレウォカービレ」と読みます。
verbum は「言葉」を意味する第二変化中性名詞、単数主格です。
semel は「ひとたび」を意味する副詞です。
emissum は「送り出す、放つ」を意味する第三変化動詞 emitto の完了分詞で verbum と同格です。
volat は「飛ぶ」を意味する第一変化動詞 volo の直接法・能動相・現在、三人称単数です。
irrevocabile は「呼び戻せない、取り消せない」を意味する第三変化形容詞 irrevocabilis, -e の中性・単数・主格です。主語の verbum と同格になります。この形容詞は副詞的に使われています。
「一度発せられた言葉は取り消せないまま飛んでゆく」と訳せます。