山下太郎のラテン語入門

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Archive for the ‘受動相’ tag

Auro conciliatur amor.

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「アウロー・コンキリアートゥル・アモル」と読みます。
auro は「黄金」を意味する第二変化中性名詞、aurum の単数奪格です。手段の奪格、すなわち、「黄金によって」と訳せます。
conciliatur は「もたらす、引き起こす」を意味する第一変化動詞 concilio の直接法・受動相・現在、三人称単数です。
amor は「愛、恋」を意味する第三変化名詞、単数主格です。
「黄金によって愛は得られる」と訳せます。
オウィディウスの『恋の技術』に見られる言葉です。

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Written by 山下 太郎

1月 12th, 2012 at 11:58 pm

Cum sese vincit sapiens, minime vincitur.

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「クム・セーセー・ウィンキト・サピエンス・ミニメー・ウィンキトゥル」と訳せます。
cum は「・・・する時」を意味する接続詞です。
sese は再帰代名詞、単数対格です。
vincit は「打ち勝つ」を意味する第三変化動詞 vinco の直接法・能動相・現在、三人称単数です。
sapiens は「賢者」を意味する第三変化名詞、単数主格です。
minime は「最も少なく」を意味する副詞です。
vincitur は vinco (打ち勝つ)の直接法・受動相・現在、三人称単数です。主語は sapiens と考えられます。
「賢者が己に打ち勝つ時、彼は少しも征服されていない」と訳せます。
プブリリウス・シュルス、『金言集』に見られる言葉です。

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Written by 山下 太郎

1月 7th, 2012 at 10:00 pm

Date et dabitur vobis.

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「ダテ・エト・ダビトゥル・ウォービース」と読みます。
date(ダテ)は、不規則動詞 do(ドー)の命令法・現在・二人称・複数の形です。
この動詞の不定法は、dare(ダレ)ですから、-re をとり、te をつければ date になります。
dabitur は、同じ動詞 do の受動相・未来・三人称・単数の形です。「与えられるだろう」という意味です。
vobis(ウォービース)は、人称代名詞・二人称・複数・与格(=あなたがたに)です。
何を与え、何が与えられるか(dateの目的語、dabiturの主語)は不問となっています。
「与えよ、さらば与えられん」 という意味です。
『新約聖書』の言葉です。

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Written by 山下 太郎

5月 9th, 2011 at 2:18 pm

Di a nullo videntur, ipsi autem omnia vident.

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「ディー・アー・ヌッロー・ウィデントゥル・イプシー・アウテム・オムニア・ウィデント」と読みます。
di は「神」を意味する第2変化名詞 deus の複数主格です。
nullo は「何の・・・も・・・ない」を意味する形容詞、男性・単数・奪格です。ここでは名詞的に用いられ、英語でいえば no one, nobody に相当する意味を表します。
videntur は「見る」を意味する第二変化動詞 video の直説法・受動相・三人称複数です。主語は di です。
受動態の構文で前置詞 a + 奪格は「行為者」を示します。英語なら by +名詞となるところです。
ipsi は代名詞 ipse の男性・複数・主格です。ここでは「神々自身が」という意味になります。
autem は「一方、しかるに」を意味する接続詞です。
omnia は「すべて」を意味する第三変化形容詞 omnis の中性・複数・対格です。vident の目的語です。この文では名詞化されています。
vident は「見る」を意味する video の直接法・能動相・現在、三人称複数です。
「神々は誰にも見られないが、神々自身はすべてを見ている」と訳せます。

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Written by 山下 太郎

2月 3rd, 2012 at 6:43 pm

Fluctuat nec mergitur.

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「フルクトゥアト・ネク・メルギトゥル」と読みます。
fluctuat は「波のように揺れる、波の上で翻弄される」を意味する fluctuo の直説法・能動相・現在・3人称・単数です。主語は明示されていませんが、一般には「船」を意味すると考えられます。
nec は否定を意味します。nec=et non と説明されます。「そして・・・でない」または、「それでも・・・でない」と文脈で訳し分けます。この文では後者となります。
mergitur は「水の中へ突っ込む、沈める」を意味する mergo の直説法・受動相・現在・3人称・単数です。「沈められる」という意味です。
パリ市のモットーとして知られます。日本語訳は「たゆたえど沈まず」となります。動乱を乗り越えて進むパリ市を船に見立てていると言えます。
※この表現については、『ラテン語名言小辞典』(野津寛著)の解説が詳しいです。

関連図書

ラテン語名句小辞典
野津 寛
4767491053

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Written by 山下 太郎

10月 22nd, 2012 at 5:58 am

Nam vitiis nemo sine nascitur; optimus ille est, qui minimis urgetur.

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「ナム・ウィティイース・ネーモー・シネ・ナスキトゥル。オプティムス・イッレ・エスト・クィー・ミニミス・ウルゲートゥル」と読みます。
nam は「というのは」を意味する接続詞です。
vitiis は「欠点」を意味する第二変化名詞 vitium の複数奪格です。
nemo は英語の nobody のように、「誰も・・・ない」を意味します。
sine は「奪格」と組み合わせ、「・・・なしに」(英語の without)を意味します。
nascitur は「生まれる」を意味する形式受動態動詞 nascor の直接法・現在、三人称単数です。
ここまでを訳すと、「誰も欠点なしに生まれない」と訳せます。
optimus は「良い」という意味を持つ第一・第二変化形容詞 bonus の最上級 optimus, -a, -um の男性・単数・主格です。
ille は「それ」を意味する代名詞で、ここでは「そのような人」と訳せます。
qui は関係代名詞、男性・単数・主格です。先行詞は ille です。
minimis は「少ない」を意味する第一・第二変化形容詞 parvus の最上級、複数・奪格です。vitiis が省略されています。つまり、ここは、「もっとも少ない欠点によって」と訳せます。
urgetur は「苦しめる、圧迫する」を意味する第二変化動詞 urgeo の直接法・受動相・現在、三人称単数です。
後半は、「最も少ない欠点に苦しめられる者(ille)が最善である」と訳せます。
あわせると、「だれも欠点なしに生まれない。最善なのはもっとも少ない欠点に悩まされる者」と訳すことができます。
「誰も欠点なしに生まれない。もっとも少ない欠点をともなって
ホラーティウス、『風刺詩』に見られる言葉です。

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1月 7th, 2012 at 5:46 pm

Nemo tam pauper vivit quam natus est.

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「ネーモー・タム・パウペル・ウィーウィト・クァム・ナートゥス・エスト」と読みます。
nemo は英語の nobody 同様「誰も・・・しない」という意味を表します。
tam は「・・・ほど」という意味で、この文では quam と対応し、「quam 以下ほど」と訳せます。
pauper は「貧しい」を意味する第三変化形容詞、男性・単数・主格です。
vivit は「生きる」を意味する第三変化動詞 vivo の直説法・能動相・現在、三人称単数です。
natus は nascor の完了分詞、男性・単数・主格です。nascor est で直説法・受動相・完了の形となります。日本語に直すと「生まれた」。
「誰も生まれた時ほど貧しく生きることはない」と訳せます。
セネカ、『倫理書簡集』に見られる表現です。

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1月 12th, 2012 at 11:37 am

Nescit vox missa reverti.

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「ネスキト・ウォクス・ミッサ・レウェルティー」と読みます。
nescit は「知らない、できない」を意味する第四変化動詞 nescio の直接法・能動相・現在、三人称単数です。
vox は「言葉、声」を意味する第三変化女性名詞、単数主格です。
missa は「送る」を意味する第三変化動詞 mitto の完了分詞、女性・単数・主格です。
reverti は「戻る」を意味する形式所相動詞 revertor の不定法・受動相・現在です。受動の形に見えて、意味は能動になります。
「ひとたび発せられた言葉は戻ることができない」という意味になります。
ホラーティウスの言葉です。

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7月 22nd, 2011 at 7:53 pm

Ridetur, chorda qui semper oberrat eadem.

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「リーデートゥル・コルダー・クィー・センペル・オベッラト・エアーデム」と読みます。
ridetur は「笑う」を意味する第二変化動詞 rideo の直説法・受動相・現在、三人称単数です。
chorda は「弦」を意味する第一変化名詞、単数奪格です。
qui は「・・・するところの」を意味する関係代名詞、男性・単数・主格です。先行詞は省略されています。「・・・する人」と訳せます。
semper は「いつも」を意味する副詞です。
oberrat は「間違う」を意味する第一変化動詞 oberro の直説法・能動相・現在、三人称単数です。
eadem は「同じ」を意味する指示代名詞 idem の女性・単数・奪格で、chorda にかかります。eadem は形容詞として使われています。
前置詞 in はありませんが、奪格の chorda…eadem だけで、「同じ弦で」と訳せます。
「いつも同じ弦で弾き間違える者(琴弾き)は嘲笑される」と訳せます。
ホラーティウス、『詩論』(356)に見られる表現です。

詩学 (岩波文庫)
アリストテレース ホラーティウス 松本 仁助
4003360494

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Written by 山下 太郎

12月 25th, 2012 at 8:30 am