Archive for the ‘プロペルティウス’ tag
Cynthia prima fuit, Cynthia finis erit.
「キュンティア・プリーマ・フイト・キュンティア・フィーニス・エリト」と読みます。
Cynthia は詩人プロペルティウスが愛した女性の名前です。
prima は「最初の」を意味する第一・第二変化形容し、単数主格です。
fuit は、不規則動詞 sum(・・・である)の直接法・能動相・完了、三人称単数です。
finis は「終わり」を意味する第三変化名詞、単数主格です。
erit は sum の未来形です。
「キュンティアが最初の女であった。キュンティアが最後の女になるだろう」というのが直訳です。
プロペルティウス、『詩集』に見られる表現です。
In magnis et voluisse sat est.
「イン・マグニース・エト・ウォルイッセ・サト・エスト」と読みます。
magnis は形容詞が名詞化されている例です。magnus (大きい)の中性・複数・奪格です。
et は次に来る単語を強調し、「~もまた、~さえ」と訳せます。
voluisse は「望む、願う」、志すを意味する動詞 volo の不定法・能動相・完了です。「志したことが」と訳せます。
sat は「十分」を意味する不変化の名詞です。
sat est + 不定法の構文で、「<不定法>は十分である」と訳せます。
「偉大な事柄においては、志しただけでも十分である」というのが直訳です。
普通は、目標を達成することと、志しただけというのでは、評価の上で雲泥の差があります。ところが、偉大なことに関してであれば、それを志しただけでも十分評価に価するという意味になります。
プロペルティウスの表現です(2.10.6)。
Laus in amore mori.
「ラウス・イン・アモーレ・モリー」と読みます。
laus は「名誉、誉れ」を意味する第三変化名詞、単数主格です。
amore は「愛」を意味する第三変化名詞 amor の単数奪格です。
mori は「死ぬ」を意味する形式受動態動詞 morior の不定法です。
「恋の中で死ぬことは誉れ(である)」と訳せます。
ローマの恋愛詩人プロペルティウスの『詩集』に見られる言葉です。
「恋のさ中に死ぬのは誉れ。一つの恋を喜べるなら、それもまた誉れ」という詩句に見られる表現です。
Nemo in amore videt.
「ネーモー・イン・アモーレ・ウィデト」と読みます。
nemo は英語の nobody と同じく「誰も・・・ない」という意味を持ちます。
amore は「愛、恋」を意味する第三変化名詞 amor の単数・奪格です。前置詞 in が奪格形を要求しています。in amore で「恋において」と訳せます。
videt は「見る」を意味する第二変化動詞 video の直説法・能動相・現在、三人称単数です。主語は Nemo です。
「誰も恋において(ものを)見ていない」が直訳ですが、「恋は盲目」のラテン語版表現といえるでしょう。
ローマの恋愛詩人プロペルティウスの表現です。
cf.『詩集』2.14.18.
Omnia vertuntur: certe vertuntur amores.
「オムニア・ウェルトゥントゥル・ケルテー・ウェルトゥントゥル・アモーレース」と読みます。
omnia は「すべて」を意味する第三変化形容詞 omnis の中性・複数・主格です。
vertuntur は「回転させる」を意味する第三変化動詞 verto の直説法・受動相、三人称・複数です。受動で使われたとき、「回転する」と訳せます。
certe は「たしかに」を意味する副詞です。
amores は「愛」を意味する第三変化名詞 amor の複数・主格です。
「万物は流転する。たしかに愛は流転する」と訳せます。
プロペルティウスの言葉です。
Quare, dum licet, inter nos laetemur amantes:non satis est ullo tempore longus amor.
「クァーレー・ドゥム・リケト・インテル・ノース・ラエテームル・アマンテース・ノーン・サティス・ウッロー・テンポレ・ロングス・アモル」と読みます。
quare は「それゆえ」を意味する副詞です。
dum は「・・・する間」を意味する接続詞です。
licet は「・・・することが可能である、許されている」を意味する非人称動詞です。
inter は対格を支配する前置詞で、「・・・の間で」を意味します。nos とともに「我々の間で」、「互いに」となります。
nos は「我々が」を意味する人称代名詞、一人称・複数・対格です。
laetemur は「楽しむ、喜ぶ」を意味する形式所相動詞 laetor の接続法・現在、1人称・複数です。接続法なので、「楽しもう」と相手に呼びかける意味で解釈できます。
amantes は「愛する」を意味する第一変化動詞 amo の現在分詞、複数・主格です。現在分詞は形容詞として、laetemur で想定される主語(「我々は」)の意味を補足します。
1行目は、「それゆえ、それが許される間、私たちは互いに愛し合いながら楽しもう」という意味になります。
satis は「十分に」を意味する副詞です。longus にかかります。
non satis est…longus で「十分に長くはない」となります。
ullo は英語の any と同じ意味を持つ代名詞的形容詞 ullus の中性・単数・奪格で、 tempore にかかります。
tempore は「時、時間」を意味する第三変化中性名詞 tempus の単数・奪格です。
ullo tempore は否定文において「いかなる時にも」と訳せます。
第一・第二変化形容詞 longus (長い)はこの文では補語として使われています。
行末の amor は、第三変化男性名詞で、この文の主語です。
2行目は、「いかなる時にも愛は十分に長くはない」となります。
ローマを代表する恋愛詩人プロペルティウスの表現です。
Te ustus amem.
「テー・ウストゥス・アメム」と読みます。
te は人称代名詞二人称単数、対格です。「あなたを」と訳せます。
ustus は「焼く、燃やす」を意味する第三変化動詞 uro の完了分詞、男性・単数・主格です。この文の主語を説明する言葉になります(「焼かれた者として、私は・・・」=「私は焼かれても・・・」)。
amem は「愛する」を意味する第一変化動詞、接続法・能動相・現在、一人称単数です。この文では「願望」を示します。
「私は(死んで)焼かれてもあなたを愛したい」と訳せます。
「灰になっても愛したい」と意訳できます。
ローマの恋愛詩人プロペルティウスの言葉です(3.15.4)。「火葬の薪に焼かれても私はあなただけを愛したい」という詩句の一部。「死んでも愛したい」という意味ですから、「死ぬまで愛したい」よりも強い愛の表現です。
Elegies (Loeb Classical Library)
Propertius G. P. Goold 
Traicit et fati litora magnus amor.
「トラーイキト・エト・ファーティー・リートラ・マグヌス・アモル」と読みます。
traicit は「超える」を意味する第三変化動詞 traicio の直接法・能動相・現在、三人称単数です。
et は次に来る言葉を強調します。ここでは、「~さえ」と訳せます。
fati は「運命」を意味する第二変化中性名詞 fatum の単数属格です。
litora は「岸」を意味する第三変化中性名詞、複数・対格です。
magnus は「大きな」を意味する第一・第二変化形容詞、男性・単数・主格です。
amor は「愛」を意味する第三変化名詞、単数主格です。
「偉大な愛は運命の岸さえ乗り越える」と訳せます。
運命の岸とは「死」(mors)を意味します。
プロペルティウスの『詩集』に見られる表現です(1.19.12)。
Elegies (Loeb Classical Library)
Propertius G. P. Goold 