前略、親愛なる高校生、大学生のみなさんへ。みなさんの意見を聞いていると,「英語は大切.何かしないといけない」と考える人や,「会話ができることが大切.でも会話学校にいくにはお金がいるし,今の自分には時間もない.」という人,「特に今すぐ英語が必要ではないが,放っておくとさび付く.いま何をすればいいのか?」と尋ねる人などさまざまです.
私自身海外には通算2週間しかいったことがありませんが(笑),なんとか英語でやりくりできる自信はあります(当てにならない?).ベストの方法は私にもわかりませんが(単身外国に旅行することかも),時間と金のない人向きの勉強方法を考えました.
ちょっと考えて下さい.「あなたは,高校入試レベルで求められる英語の知識(文法,作文,読解)に自信がありますか?」と.ちょっと息抜き(?)に典型的な問題をいくつかのぞいてみましょう.はたして取り組む意味があるのか,ないのか?英語に対し,日頃どのようなメンテナンスが大切か,自分で考えるヒントとなれば幸いです.
A. 次の各問いのカッコ内の語群を並べ替えて,日本文の意味をもつ英文にしなさい.(ラ・サール高校)
1.私が書いているペンはおじさんからもらったものです. The (by, with, is, am, was, pen, I, I, uncle, the, writing, given, one, my).
2.あまり時間はないのですが,その仕事は2,3日ですまさなければならないでしょう. We (we, time, finish, have, work, a, have, though, will, few, days, to, the, in, much, don't).
3.ベルが鳴るやいなや少年たちは部屋から走り出ました. As (of, the, the, rang, ran, the, soon, room, bell, as, boys, out).
4.彼らはお互いにあまりよく理解し合っていないと思う. I (well, each, don't, very, they, other, think, understand).
5.私は君に教えられるほどフランス語を知ってはいない. I (to, well, you, French, know, teach, don't, it, enough, to).
B.日本文と同じ意味になるように,( )内に与えられた語を正しい順に並べ替えて,英文を作りなさい.(早実高校)
1.私はあなたに2,3時間でその本を読み終えて欲しいと思います. (in, reading, book, you, want, to, finish, few, a, I, the, hours).
2.彼女は私がバスの中で知り合った婦人ほどには美しくない. (I, lady, she, on, bus, as, is, not, beautiful, met, as, the, the).
3.私は私のおじさんがパリに向けて日本を出発して以来,手紙をもらっていません. (my, Japan, left, I, for, he, heard, since, from, haven't, uncle, Paris).
4.あなたは彼が一昨日どこへ行ったと思いますか. (do, went, you, where, yesterday, before, day, the, he, think)?
これを中学生ができるか?はさておき,みなさん(大学生)は,ばっちりできたでしょうか.問題自体,かなり無理がありますね.たとえばA1.は,日本語がちょっと不自然ですね.おまけに答えも超難しい!The pen I am writing with is the one I was given by my uncle.でしょうか?(これができる中学生いるのかな?)日本人が英語を好きになれない理由は,中学時代にこういった問題をいやというほど解かされるからじゃないですか?
ただ,終わったことを言っても仕方ないので,高校生、大学生であるみなさんは,「問題文の日本語を英語にする作業」はせめて「かけ算の九九」なみにできるようにしたいわけです.いろいろな表現が正解になりますね.相手が横にいると仮定したら,今見たA1の問題だと,My uncle gave me this pen.という手もありますね.できれば,それぞれの英文をどういう状況で自分なら使うだろうか?と考えてみて下さい.
今の例だと,My uncle gave me this pen. He is dead now. I loved him very much. But one day when he was crossing a street, a reckless car ran over him.....という具合に展開して行くわけです.
これも正解がありえない(=想像力を使う=面白い)問題になりますね.でも,実際的,応用的なトレーニングが期待できます.毎日日記を付けるように,できれば習慣にすることです.英和辞書より 和英を持ち歩くのがおしゃれです。
次にあげる問題なんかは,高校入試のくせに(失礼)私もてこずります(苦笑).できる人はやってください(メールいただいたら添削します).でも,ある意味で,日常会話レベルといえるかもしれませんね.
D.私の住んでいる市は人工わずか9万の小さな都市ですが,たくさんの人が日本中からやってきます.それは市の西の方に古城があるからです.大阪城のように有名ではありませんが,その美しい姿はとても言葉では言いあらわせないほどです.いつかみなさんもこのお城を見にいらっしゃいませんか.駅からほんの15分も歩けば行くことができます. (洛星高校)
では,読む力はどうしましょうか.できれば辞書なしに読みたいですね.いきなり英字新聞は厳しいというひとは,高校入試レベルに注目して下さい.今なら(受験時代は不問)けっこうエンジョイできるのではないでしょうか.
E.One winter, there was a very big flood in a town. A lot of houses were washed away. Jane's house was all right, because it was on the side of a hill. Her house was very small and she had five children, but Jane took in one of the families who were now homeless from the flood. From that day on she lived together with the family in her small house till they were able to build their own house again. Jane's friend Helen was very surprised at this and said to her, "Why do you want to give yourself so much more work when you already have so many children ?" Jane thought for a minute and began to tell her story: When I was a little girl, there was a woman in my town. Her name was Mrs. Scott. She was very poor, because her husband was already dead and she had a lot of children. On the day before Christmas, this woman said to her children, "We won't be able to have much for Christmas this year, so I'm going to buy only one present for all of us. I'll go and get it now. A little later, she came back with a little girl who was much poorer than they were. The girl had no mother or father. "Here is our present," she said to her children. They were very happy with such a present. That little girl grew up as their sister. I was that Christmas present.
これは秋田県の入試問題です.この中では,最終行の「私」とはだれですか?を問うています.勘のいいあなたならもうおわかりですね.
さて,ここで先週みなさんから回収した意見から一つ紹介します.「・・・子供はどこからともなく色々な事を学んでくる.確かにかけ算の九九や漢字は日常よく使うので覚えさせる必要はあると思う.しかし高校で習う数学はあまり使い勝手がない.本当に数学を色々なことに使おうと思うなら高校レベルでは話にならない.どっちみち中途半端で終わるなら,最初から教えない方がいい.」
これは注目すべき意見です.私自身微積はすっかり忘れましたが,かけ算は今でもちゃんと知っています(笑).漢字もかけ算の九九も知らないと日常生活困りますからね.では,英語において,かけ算の九九に相当するものは何でしょうか.最小限なくてはならないミニマムの知識として,私は今日ご紹介した問題レベルの英文を「表現できる力」(読めるだけでは不可)と考えたいと思います.