ことばの歴史をたずねる旅

ラテン語FAQ

読者から寄せられたラテン語を学ぶ動機など。


「雀が死んだ」(訳)

悲しんでくれ、おお愛と欲望の神々たちよ、人間の喜びに関わる限りの神よ。・・・


黄金の中庸

ホラーティウスは、死という逃れられない定めについて、また人生の無常について、繰り返し説いています。


Oxford Latin Dictionary (DICTIONARY)

P. G. W. Glare

現在望みうる最高のラテン語辞書です。ただし、両手を使わないと持ち運べません(笑)。研究室用に最適。個人でも気長にラテン語につきあいたい人、本物志向の方にはお勧めできます。


Cassell's Latin Dictionary: Latin-English, English-Latin

D. P. Simpson

ラテン語-英語、英語-ラテン語の辞書。私は学生時代、この辞書(前の版です)をボロボロになるまで使いました。英語からラテン語単語がひけるというのは、実生活で意外に役に立ちます。何かある言葉をラテン語に直したいという時、和羅辞典を引く手もありますが、基本は「日本語-->英語-->ラテン語」の順に言葉を探していくことになります。


Charlton T. Lewis

An Elementary Latin Dictionary

ちょっとずんぐりとしたオックスフォードの小型辞書。手頃なお値段で、大きな信頼が手に入ります。


ナンバーはどうしてNO.か?

Q1. どうしてナンバーを略した形は Nu. でなく No. なのですか?


A. ちょっと大きな英和辞書に載っていると思いますが、No. とはラテン語で数を意味する Numero(ヌメロー)の省略形です。

厳密に言えば、ラテン語の numerus(ヌメルス)が主格の形(辞書に載っている見だし)ですが、その奪格(だっかく)と呼ばれる変化形が numero です。この格に注意して直訳すれば、「数において」という意味になります。

たとえば40という数字は、ラテン語でnumero quadraginta(ヌメロー・クアドラギンタ)と言いますが、これは「数において40」という意味です。英語だと、forty in number とさらっと訳せるのですが、日本語だと少しまわりくどい感じですね。

Q2. numero の省略形が No. ということは分かりました。ときに、最初と最後の文字をくっつけるという省略の仕方は、英語では一般的でないように思いますが、ラテン語などではよくあることでしょうか?

A.そうですね。ラテン語は激しく語尾変化します。ですから、単語の活用の形もわかるように省略するのだろうと思います。

乗り物のバスを例に取りますと、この英語 bus も omnibus(オムニブス)というラテン語の省略語です。 omnis(オムニス)という形容詞は「すべての」という意味ですが、これがomnibusと語尾変化しますと、「複数・与格(よかく)」と呼ばれる形になります。

与格(よかく)といってわかりにくければ、英語の「間接目的語」に相当する格だとイメージしていただいていいでしょう。

したがって、omnibus を日本語にしますと、「すべての人のために」となります。バスとはみんなの利用する乗り物だというわけです。そしてこのやや長いラテン語の活用語尾だけを切り取ってできたのが、bus(バス)というつづりです。