どの教科書でも一般に第1変化名詞から学びます(「『楽しく学ぶラテン語』(大学書林)」は第2変化名詞の次に第1変化名詞を学ぶ点で変則的です)。しっかり暗記してください。

第1変化名詞の例として、stella「星」(ステッラ)の変化を見てみましょう。

単数 複数
主・呼格 stella stellae
属格 stellae stellārum
与格 stellae stellīs
対格 stellam stellās
奪格 stellā stellīs

単数から順に読むと、「スッラ・スッラエ、スッラエ、スッラム、スッラー」、複数は「スッラエ・ステッラールム・スッリース・スッラース・スッリース」と読みます。 単数奪格で、語尾のaを長く読む点に注意してください。 単数主格 stellaは、「星は」と訳せます。 呼格 stellaは「星よ」です。 与格 stellaeは、「星に」とか「星にとって」という意味です。 対格 stellamは「星を」になります。 奪格(だっかく)は一言で説明できない格です。 「星から」や「星によって」と訳すことができます。inやexといった前置詞とセットで登場することが多いです。

第1変化名詞の大部分は女性名詞である点も覚えておきましょう。 ギリシア神話の「ケパロスとプロクリスのエピソード」では、 妻の誤解(夫に愛人がいるという勘違い)は、そよ風(aura)に語りかけた夫の言葉に原因がありました。「そよ風(=aura アウラ)よ」という言葉は、愛する女性に対する語り掛けであると錯覚されたからです。(つまり、aura は女性名詞)。

第1変化名詞は、辞書の見出しでは、-aで終わる名詞と覚えてください。 例えば、fāma (ファーマ) うわさ、dea (デア)女神、glōria (グローリア)栄光、terra (テッラ)大地、via (ウィア)道、などは全部第1変化名詞です。 繰り返しになりますが、第1変化名詞の場合、辞書の見出しは、ふつう fama, ae, f. となっています。 単数・主格の次に、単数・属格の形 (-ae)をかくことにより、 この単語の変化形が第1変化名詞だとわかります(わかってください)。 ちなみに、最後のf. は女性名詞 (feminine)であることを示します。

第1変化名詞の例

第1変化の場合はその大半が女性名詞です。 dea(デア)「女神」、 fīlia(フィーリア)「娘」、puella(プエッラ)「少女」、 rēgīna(レーギーナ)「女王」など。

第1変化名詞で男性のものは、agricola(アグリコラ)「農夫」、nauta(ナウタ)「水夫」、poēta(ポエータ)「詩人」、collēga(コッレーガ)「同僚」、scrība(スクリーバ)「書記」など少数です。

第1変化名詞の用例

実際の文の中で名詞はどのように使われるのでしょうか。第1変化名詞を例にとって説明します。 なお、例文に使っている動詞の活用については、「動詞」を参照してください。 ちなみに例にとりあげた「輝く」を意味する micō(ミコー)は、 第1変化動詞、 「見る」という意味の videō (ウィデオー)は第2変化動詞です。

Stella micat. 1つの星輝く。
Stellam videō. 私は1つの星見る。
Stellae micant. 複数の星輝いている。
Stellās videō. 私は(複数の)星見ている。

第1変化名詞の格言

リンク先に詳しい文法的説明があります。

Aquila nōn captat muscam.
鷲(わし)は蠅をつかまえない。

Fāma volat.
噂は飛ぶ。

Jūstitia saepe causa glōriae est.
正義はしばしば栄光の原因である。

Scientia est potentia.
知識は力である。

Vīta brevis, ars longa.
人生は短く、技は長い。

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