これは多くの人に愛され親しまれてきた格言です。言葉の意味を汲んで「急がば回れ」と訳されることもあります。

ローマの伝記作家スエトニウスは、アウグストゥスの座右の銘を三つ紹介していますが、その一つ目がこの言葉のギリシア語版。二つ目もギリシア語で、「大胆な指揮官より慎重な指揮官がまし」というもの。三つ目はラテン語で、「立派にできたことは十分早くできたこと」。

どれも向こう見ずを諌め慎重さを重んじる言葉ですが、三つ目のラテン語はちょっとひねってあってすぐに意味がつかめません。一緒に考えてみましょう。

ビジネスの現場を考えてみると、できあがりが早くても仕事が雑であればやり直す必要があり、かえって時間がかかります。逆に、一見時間がかかっているように見えても丁寧に仕事を仕上げる人はやり直しの必要がありません。つまり、「十分に早い」ということになります。ということで、これも結局のところ日本語の「急がば回れ」と趣旨は同じです。

そう考えると、表題に掲げた「ゆっくり急げ」という格言も、力点はどうやら「ゆっくり」に置かれているようです。じっくりと丁寧に仕事に取り組むことが、大局的に見て時間を節約することにつながる、という意味で理解してよいでしょう。

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