昨日の俳句の時間では今年度最初の取り組みとして「立って発表」してもらいました。ふだんは元気で明るい年長児たちですが、いざ全員の前で「立って発表」するのは緊張します。一人ひとりのリアクションが個性的で様々な表情を見せながらも、初回にしては大勢の子どもたちが自分の意志で手を上げて発表できました。

毎年このことを記述した時に保護者にお願いすることがあります。それは、お子さんに手を上げて発表した?とはどうか聞かないで下さい、ということです。私の目から見ると、ふだんは全員が声を揃えてしっかり発表できています。立って発表するのは勇気が要ります。昨日発表できた人は、昨日「決意」したわけです。まだの人は、これから「決意」するはずです。誰も発表しないまま卒園することはありません。

入園に際して私がお願いしていることと似ています。入園前に「一人で行く」と決意するか、入園後に決意するか。親にとっては大きな違いですが、一人で行くと心に誓う日は誰にとっても等しく訪れます。早いか遅いかは大局的に見れば大差ないと達観していただきたいと思います。ちょうど桜の開花にさいし、特定の蕾だけを見つめると遅速はありますが、どの蕾も必ず美しく咲くのです。

問題は、自然の花々と違い、人間は耳がありますので、「早く、早く」とせかされると、自分の決意が鈍ります。すねてこじれることもあります。一番よいのは、そっとしておくことです。私も昨日の発表のことを書かない選択も考えましたが、このようなこともここで書くことで、一つの考え方をお伝えするチャンスになると思い、毎年書かせていただいています。

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